ハラハラ、ドキドキ、2連勝! ヤクルトが、まるでアニメの筋書きのような接戦を制した。好調DeNAからカード勝ち越しを決め、今季苦手とするホームで20勝に到達。小川淳司監督も「よくひっくり返してくれた」と手放しで称賛した。

「ゴー! ゴー! スワローズ!」。サザエさんの声が後押しした。球団設立50周年を記念し、同じく放送開始50周年を迎えた国民的アニメ「サザエさん」とコラボレーションした一戦。サザエさん、マスオさん、フネさん、波平さんが応援に駆けつけた。7-7で迎えた7回1死一塁、カウント1-2と追い込まれたバレンティンは、狙いを長打ではなく単打に切り替えた。DeNAエスコバーの156キロ直球を右中間に運ぶ二塁打。ランエンドヒットで走りだしていた一塁走者の青木が勝ち越しのホームを踏んだ。バレンティンは「順位は思うところにいないけど、1日1日を大事にしてチーム一丸となって戦う」と汗をぬぐった。

前夜の逆転サヨナラ勝ちの勢いを、つないだ。山田哲が初回に29号ソロで先制すると、4点を追う4回には、先頭の青木が16号ソロで口火を切り、打者一巡で一挙6点を奪った。同点に追いつかれた中盤以降も、粘り強く戦った。チームは最下位だが、青木は「目先の試合に集中すること。残り少ない中で、1つでも多く勝ちたい」。8月に入り12戦で5発と好調の山田哲も「1つでも上の順位にいけるように」と力を込めた。視聴者を幸せな気持ちにさせるサザエさん一家の日常のように、常勝をファンへ届ける。【保坂恭子】