2年連続の「下克上」を狙うソフトバンクに、日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(49)が、西武撃破のポイントを挙げた。昨年に続き、またも西武を破るカギを投打に分けて指摘する。

浜名氏 まず、守りの面では、昨年同様に秋山を完全に封じることだ。

昨年のCSファイナルステージ5試合、秋山は1番打者でスタメン出場し20打数3安打1打点、打率1割5分。まったく1番として機能しなかった。

浜名氏 昨年ほど、ソフトバンクの投手陣が充実していない不安はあるが、短期決戦では「打たれてはいけない選手」を徹底的にマークすることが大事。4番の中村もその1人だが、西武はやはり秋山だと思う。下位打線で作ったチャンスで得点を重ねられると打線が完全に乗ってしまう。

両チームの打線に目を向けると、ほぼ固定されてきた西武に対して、ソフトバンクはほとんど固定されずに戦った。毎年、浜名氏は1番の固定を提唱してきたが、今年もそれはできなかった。

浜名氏 打線は相手投手によってどんどん変えていくしかない。挑戦者だから攻めていかないといけない。そこでキーになるのは2番だと思う。

CSファーストステージの楽天戦は3試合とも1点を争う接戦だった。先頭打者が出塁したら、両チームともに確実にバントで送る作戦だった。その考え方は西武には通用しない。

浜名氏 初回に1番が出塁して2番がバントするような戦い方では西武には勝てない。一気に集中打で畳み掛ける攻撃が必要で、5点以上は狙わないといけない。2番打者を誰にするのか。トレンドになっている強打者を置くような打線にしないと、打ち勝つ野球はできない。大胆な起用に期待したい。【取材・構成=浦田由紀夫】