ソフトバンク武田翔太投手(26)が、4回2死まで西武打線に安打を許さない好投で、工藤監督の先発起用に応えた。初戦を勝てばという条件で先発を告げられていた右腕は、第1戦の逆転勝ち後に正式に先発を伝えられた。

3回まで西武打線を無失点で片付けた。味方打線が序盤から大量援護したこともあり、ノビノビと投球。4回、外崎にソロを浴びたが丁寧に投げ続けた。5回に連打を許し、降板。4回0/3、80球で4被安打、3失点。「チームが勝てたことがよかった。自分の調子どうこうではなく、気持ちでいった。中継ぎの1番手のつもり。序盤の3イニングは思い通りの投球ができた。5回は投げきりたかった。最低限の投球はできたと思う」とホッとした表情だった。

今季は開幕ローテーションに入るも結果が出ず、中継ぎに回るなど苦しいシーズンだった。シーズン中に使用するグラブのメーカーを変更し、投球フォームも自ら考えて変更した。何でもすぐにできる器用さで、今のベストを常に求め、変化を恐れなかった。その結果、先発でも中継ぎでも活躍できる場を取り戻した。CSファーストステージから数えると、先発5番手の苦しい台所事情だった。工藤監督は「1イニング、1人ずつアウトを取って」とショートスターターとして考えていたが、5回途中まで投げ、役目を果たした。【石橋隆雄】