ドラゴンズの新レジェンドになるぞ! 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が17日に都内で行われ、東邦・石川昂弥(たかや)内野手(3年)は3球団競合の末、地元の中日が交渉権を獲得した。高校通算55本塁打の右のスラッガーの夢はでっかく「3冠王」。中日のレジェンド落合博満を目標に、サクセスロードを進撃だ。

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名古屋のスターと中日はやはり赤い糸で結ばれていた。運命がつながった瞬間、石川が中庭の会場に集まった在校生数百人の大歓声に包まれた。森田泰弘監督(60)と握手を交わし「(競合は)全く考えていなかった。うれしい気持ちとびっくりした気持ちです。中日さんが当てたのは縁があるのかなと思いました。地元の球団でもありますし、非常にうれしく思います」と日焼けした顔をほころばせた。

愛知が生んだスラッガーはビッグな夢を明かした。「目標は3冠王。落合さんのようなバッティングが出来ればいいなと思います」。目指すは竜のレジェンドで3冠王3度の落合博満だ。「落合さんの動画を見て逆方向に打つ打撃フォームが自分と似ているなと。平成は1人しか達成していない。どうせやるなら目標に」。目を輝かせ「30歳くらいまでにですかね?」と冗談も交えたが、28歳で戴冠したレジェンドに10数年で追いつく意気込みだ。

残した数字が実力の証しだ。8月下旬、U18W杯代表合宿中のこと。木製バットを使用した大学生との練習試合で2試合とも4番で先発して通算5打数3安打。視察した中日のスカウトは「木製の方で打ってる方がスイングが良い。きれいにスイング出来ているから十分対応できる」と打撃センスに目を見張った。U18W杯でも全8試合で4番。広角に打ち分ける高い能力を発揮し、打率3割3分3厘、1本塁打の成績を残した。発揮した木製バットへの適応能力の高さは頼もしい限りだ。

中日は今季得点力不足に泣いて5位に沈み、7年連続Bクラスで終戦した。課題の攻撃力アップへ、高校通算55本塁打の加入は心強い。与田監督も「将来、根尾と石川で中軸を打つチームにしたい」と期待は大きい。小6時にドラゴンズジュニアにも選出された縁もあり「またこのユニホームで野球が出来ることがうれしいです。将来的に中軸を担うことができれば。少しでも自分が優勝に貢献できたらいいなと思います」と夢を描いた。愛知生え抜きのスターが、次代のドラゴンズを担う。【望月千草】

◆石川昂弥(いしかわ・たかや)2001年(平13)6月22日生まれ。愛知・半田市出身。愛知知多ボーイズ。東邦では1年春からベンチ入り。2年春の甲子園は4番三塁で出場。高校通算55本塁打。投手として最速144キロ。185センチ、81キロ。右投げ右打ち。