中日が3日、ソフトバンクから国内FA宣言した福田秀平外野手と電撃初交渉を行った。加藤幸宏球団代表(60)と松永幸男編成部長(54)が、FA交渉解禁日に福岡市内のホテルで対面。同代表は「誠意を見せた」とし、4年契約&4億円以上の条件に加え、左翼レギュラーの最有力者など期待を伝えたとみられる。福田は中日の前に西武とも初交渉。今後ヤクルト、ロッテとも交渉し、ソフトバンクを含めた5球団以上の争奪戦に発展しそうだ。

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加藤球団代表は当初、3日は“私用で休養”と説明。松永部長もこの日、午前中にナゴヤ球場に姿を見せるなど、福田と交渉するムードを一切醸し出さなかった。だが夕刻、2人は福岡市内のホテルにいた。報道陣をかく乱して、獲得交渉計画を極秘裏に進行。交渉後も福田とは別の出口から出るなど、最後まで報道陣に姿を見せずにホテルから抜け出した。

西武が福岡市内のホテルで午後2時から交渉。1番乗り交渉は譲ったが、中日も別のホテルで席を設け、好条件を示した。福岡から中部国際空港に戻った加藤代表は「内容は言えないが、誠意は見せた」と説明。次回FA権が取得できる4年契約&4億円以上の条件を提示。さらに出場機会も求める福田のリクエストにも回答。股関節の故障で来季契約がもつれているアルモンテが主に守った左翼レギュラーの最有力候補とする、期待の大きさを伝えた。

5位からの来季巻き返しへ、福田はなんとしても欲しい戦力だ。与田監督は就任以来、複数ポジションを守れる野手の重要性を強調してきた。外野、内野をこなせるユーティリティープレーヤーの福田は補強条件に合致。球団関係者は、「大島、平田も来季以降、故障や加齢からフル出場できない可能性もある」とも危機感を抱く。与田監督は競争による選手のレベルアップも求めており、今季左翼を守った選手会長の福田や、二塁定着の阿部、堂上らとの身内バトルによる相乗効果も期待できる。

公開交渉した西武、隠密に進めた中日と対照的な形で福田獲得合戦が幕を開けた。ヤクルト、ロッテの交渉も予定される中、中日の次回交渉は未定。竜が誠意を尽くして吉報を待つ。