阪神からドラフト6位で指名された東海大九州・小川一平投手(22)が14日、熊本市内のホテルで入団交渉を行い、契約金3000万円、年俸700万円で仮契約を結んだ。

指名あいさつから約2週間。長めに伸びていた髪を心機一転で整えて決意を新たにした。仮契約を終え「ドラフトが終わった後に実感が湧いて、プロと契約したんだなと思いました」と初々しい笑みを浮かべた。

182センチの長身から繰り出される最速149キロの直球と、フォークに似た独特のチェンジアップが武器の右腕だ。

大学に入学してすぐの16年4月。熊本地震で被災し、寮のあった南阿蘇村は震度6強を観測。2カ月間は練習が出来なくなるなど、甚大な被害を受けた。4年間過ごした熊本県は、熊本城も工事中など完全復興へ道のりはまだ半ば。「熊本に来てすぐの事。今でも思い出します。自分よりももっとすごいこと(被害)が起こった人もいる。1試合でも早く1軍で投げて、(熊本)に恩返しできればと思う」。熊本に届く活躍を見せることが、なによりの恩返しとなる。(金額は推定)

◆小川一平(おがわ・いっぺい)1997年(平9)6月3日、神奈川県逗子市出身。逗子小2年で逗子オリーブスで野球を始め、逗子中では軟式野球部。横須賀工では3年夏2回戦敗退で甲子園出場経験なし。東海大九州に進み、2年時に大学選手権出場も初戦敗退。182センチ、80キロ。右投げ右打ち。