中日は18日、来季の1、2軍巡回打撃コーチとして外国人OBのアロンゾ・パウエル氏(54=前大リーグ、ジャイアンツ打撃コーチ)の就任を発表した。パウエル氏は同日来日し、ナゴヤ球場で1年契約を交わした。

23年ぶりに復帰するパウエル氏に中日愛は息づいていた。「ドラゴンズのためにやりたい。メジャーでも日本でもマイナーでも野球は野球。個々のスタイルを尊重しながら指導する」。メジャー球団からの打撃コーチのオファーも断っていた。「外国人選手も高橋周平、大島も知っている」。日本を離れていても、インターネットなどで古巣をチェック。早速19日に沖縄入りして北谷キャンプの打ち上げに参加し、選手に自己紹介する熱の入れようだ。

加藤宏幸球団代表(60)も「与田監督からの要望が強かった。中日は本塁打数が少ないので、強化して欲しいと伝えた」と説明。同氏は外国人獲得でのアドバイザー役も務める。中日は日本人打撃コーチの招聘(しょうへい)にも動いたが、中日での現役時代に外国人選手史上初の3年連続首位打者を獲得したスラッガーに打力向上を託すことになった。

中日は今季、12球団最少の90本塁打にとどまり、得点力アップが課題。「ナゴヤドームは広いから安打をどんどん打って、二塁打を増やせばいい。満塁で二塁打を打てば、2、3点はすぐ入る。本塁打といっしょだよ」。安打職人は、竜の攻撃力アップに自信をのぞかせた。同氏は沖縄入り後に帰国し、来年1月中旬に再来日して、2月の沖縄キャンプから本格始動する。【伊東大介】

◆アロンゾ・パウエル 1964年12月12日生まれ、米国カリフォルニア州出身。83年にジャイアンツと契約。87年エクスポズでメジャーにデビューし、91年にはマリナーズでプレー。92年5月に中日入団。94~96年外国人選手初の3年連続首位打者。96年には最多安打。93~96年ベストナイン。98年に阪神に移籍し、シーズン途中に退団。帰国後も米国で現役を続け、引退後はアストロズなどでコーチを務めた。NPB在籍時は185センチ、86キロ。右投げ右打ち。