中日の根尾昂内野手(19)が19日、ナゴヤ球場で初の契約更改交渉に臨み、200万円ダウンの年俸1300万円でサインした。昨年のドラフト1位ルーキーは負傷で出遅れ、シーズン終盤に1軍デビューして2試合2打席2三振に終わった。出場機会を求めて秋季キャンプから外野の練習をスタート。23日からは台湾でのウインターリーグで実戦を積む。来季は外野挑戦で「取り返すシーズンにしたい」と誓った。

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初の契約更改は200万円減でサインした。根尾は真っ黒に日焼けした顔で減額より、ふがいない1年を悔やんだ。「悔しいシーズンでした。金額じゃなくて、今シーズンに対してそういう気持ち」。期待のドラフト1位は1月の新人合同自主トレで右ふくらはぎを肉離れ。春季キャンプ1軍メンバー入りが発表された直後だった。2軍でプロのキャリアが始まり、4月は左人さし指を負傷して1軍への道はさらに遅れた。「1年間できる体を作りたい段階ですぐにけがをしてしまった。他の選手は次の段階に行っているし、正直、焦りとかもありました」。

ウエスタン・リーグは108試合に出場して打率2割1分に沈み、1軍はわずか2試合。9月末の阪神2連戦(甲子園)に1打席ずつ代打から出場し2三振だった。この日の会見では来季に向け「巻き返すというか取り返すシーズンにしたい」と力を込め、本職の遊撃手ではなく、外野手で勝負する意気込みを示した。

「今の段階では外野の守備が、自分の動きというか可能性を広げてくれる。それで1軍で出るチャンスが少しでも広がるのであれば、それはプラスなので続けていきたい」

高校時代は投打の二刀流で、入団に際して掲げた“遊撃一本”は一時封印となる。前日18日に1日早く打ち上げた沖縄・北谷の秋季キャンプでは、荒木内野守備走塁コーチだけでなく、英智外野守備走塁コーチの指導も受けた。「荒木さんは外野から内野に来られた。外野手は球までの詰める距離、走る距離も、バウンドも多い。送球も距離が長い。ステップの重要性、バリエーションがないと対応できない。外野に行って、その動きから内野に戻ってという考え方もある」。荒木コーチは外野手からコンバートされてゴールデングラブ賞も獲得。その名手と同じ道からも学びを得る。

来季も内野は激戦。一塁ビシエド、二塁阿部、遊撃京田、三塁高橋が有力で、堂上は二塁、遊撃のレギュラーをうかがう。根尾は23日からのアジア・ウインターリーグで外野手として実戦デビューし、1軍への最短ルートを歩んでいく。(金額は推定)【伊東大介】

○…春季キャンプからグッズ売り上げに貢献した根尾に対する大きな営業査定はなかった。加藤球団代表は「グッズ売り上げは選手にそれぞれマージンが払われる。営業査定もあるが、査定での加味はわずか。やはり1軍にいて野球の本筋で勝負しないと」と話した。