1億円プレーヤーの来季目標は「貯金」だ。中日大野雄大投手(31)が8日、地元CBCテレビの「サンデードラゴンズ」に生出演し、チームのV奪回へ貯金増産を誓った。

「10勝勝っても10敗するというレッテルが貼られている。先発1、2番手になるならそれではダメ。負けない投手になりたい」。今季は防御率2・58で最優秀防御率に輝いたが、9勝8敗で貯金1だった。プロ9シーズンで貯金を作ったのは4度。通算58勝61敗の借金3で迎える10年目へ手応えはある。

「いかに我慢するか。今季終盤は失点せずに、我慢する投球ができた」。開幕直後は立ち上がりに失点しても中盤以降を耐えて試合を作ることが多かった。前半戦は4失点以上の試合が4度あったが、後半戦はゼロ。少ない失点で粘れるように変わった。9月14日阪神戦での史上81人目のノーヒットノーランはその集大成だった。

フルシーズンを投げ抜いたことで「引き出しが増えた」と振り返る。エースとして君臨した先輩吉見は11年に18勝3敗の貯金15で、中日では直近となるこの年のリーグ制覇に貢献した。大野雄も今季の経験を活用して真のエースになるつもりだ。6日は2倍を超える7000万円増の年俸1億3000万円で契約を更改。1億円プレーヤーに返り咲いた左腕の貯金ぶりがチーム成績に直結する。【伊東大介】