新人王がでっかいご褒美をもらった。パ・リーグ新人王のソフトバンク高橋礼投手(24)が9日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3600万円アップの5000万円でサインした。3年連続日本一の一翼を担い、プレミア12でも世界一奪取に貢献した“侍査定”込みでプラスアルファをゲット。20年東京五輪でも日本代表エースに名乗りを上げる。(金額は推定)

  ◇    ◇    ◇

新人王は誇らしげだった。契約更改を終えた高橋礼は、3倍超えの大幅アップ、5000万円でのサインに終始笑顔を浮かべた。

高橋礼 すごくいい査定、評価をしてもらった。日本一の査定、評価と思った。シーズン1年間、規定回数も投げたし、侍ジャパン、新人王とその部分の評価もしてもらいました。

開幕からローテーションを守って12勝6敗。3年連続日本一に貢献して新人王に輝いた。さらに11月のプレミア12では決勝の韓国戦で救援勝利を挙げるなど、国際舞台では稀なアンダースローの強みを生かして2勝をマークし、世界一に貢献したこともアップ材料となった。

「ホークスという名前が出る上に結果も出た。いいプロモーションにもなったと言っていただけました」。交渉した三笠GMも「本来ジャパン査定というのはないが、交渉の中で金額を加算する時に、“侍で頑張ったから”という話にはなった」と説明。アップには臨時の“侍査定”も含まれた。ソフトバンク勢の松田宣、嘉弥真、甲斐野、周東、甲斐と一緒に戦い、「広告塔」となって右腕を振り続けたことも評価された。

国際舞台での強さも証明し、東京五輪では日本のエースも夢ではない。「まずはチームシーズンを優先する」としながら、「選ばれれば、やるつもりはあります」と意欲を燃やした。

真価が問われる新人王翌年に向け、自分にノルマを課した。これまで口にしていた「完投能力アップ」に加え、「規定投球回数に到達して、防御率2点台はクリアしたい。たとえ勝ち星に恵まれなくても、それなら納得する」と防御率にこだわる考えだ。

「自分の球で、まだまだ打者の体感速度を上げることができると思っている」。日本一&世界一査定で弾みをつけたサブマリン。五輪イヤーにさらなる飛躍を期す。【浦田由紀夫】

◆高橋礼の19年 開幕ローテーション入りし、開幕カードの西武戦から5連勝。ほぼ1年間ローテを守った。すべて先発で23試合に登板して12勝6敗。防御率3・34。優勝を争った首位西武から4勝、3位楽天から3勝をマークした。ポストシーズンもCSファーストステージ楽天戦、日本シリーズの巨人戦でともに先発勝利を挙げ、3年連続日本一に貢献した。さらにプレミア12でも3試合に登板し2勝1敗、防御率1・50。決勝の韓国戦では第2先発として2イニングを1安打無失点に抑え、優勝に大きく貢献した。