【ホノルル(米ハワイ)12日(日本時間13日)=為田聡史】ビッグベイビーが米ハワイに上陸した。巨人岡本和真内野手(23)が常夏の島で優勝旅行を満喫中。渡米前の契約交渉では推定年俸1億4000万円で更改し、プロ6年目で1億円の大台に到達した。

球団では97年松井秀喜、11年坂本勇人に続くスピード出世。ここ2年は主に4番として打線をけん引し、2年連続30本塁打など順調に成長中。体重100キロ超の愛されキャラの主砲に迫る。

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おかんから聞いた記憶によると、岡本はミルクを残したことがない。3歳のときは箸で豆つかみをして遊んでいた。「めちゃくちゃ上手だったらしいですよ」と自慢げに明かした。1億円プレーヤーの仲間入りを果たした契約更改後の会見では「食堂のメロンが硬いので熟したいいメロンにしてほしい」と珍要求。昨年の同会見では人気ユーチューバー「ヒカキン」をライバルに挙げた。シーズン中の休養日は「そんなに物欲はないんですが…」と“銀ブラ”でリフレッシュ。「ゆとり」でも「さとり」でもない独特の個性が人を引きつける。

球団納会ゴルフではプロ級の腕前を誇る原監督と同組でラウンドした。130打も人生初のバーディーに「楽しかった」とにっこり。来季から野手最年長となる亀井は「体はごっついのに、めちゃくちゃかわいげがあって、ほんまにかわいい。アニメのキャラクターみたいに、存在自体が愛される強烈なキャラクターを持ってる。見ている人も楽しませるし、最高のいじられキャラ」と絶賛した。

ここ2年は急成長を遂げたが、ドラ1の道のりは平たんではなかった。1年目の9月5日DeNA戦で代打でプロ1号を放つも、17試合の出場にとどまった。3年目までは2軍が定位置。エース菅野は「反骨心が半端ないと思う。高卒で1位で入って、いろんなことを言われてきただろうけど『なにくそ』って気持ちではい上がった。打った後に『おらー』とか言ってるけど、プロの世界を生き抜く上でそういう気持ちって大事。ハートの強い選手だと思う」と察した。

かわいがられていると同時に尊敬のまなざしが向けられている。坂本は「実は天然ぶってる。試合でも考えてないように見せて、配球とか流れとかをめっちゃ考えていて、頭で野球をやってる」。来季は東京五輪でのメンバー入りも期待される。「出たい思いはある。でも自分が決められることじゃないので。選んでもらえるようにしっかりとした成績を残したい」と岡本。乳歯が抜けたビッグベイビーが“世界進出”を視界に捉えた。