楽天松井裕樹投手(24)が来季の先発転向を明言した。17日、仙台市内の球団事務所で契約を更改。1億4000万円増の年俸2億5000万円プラス出来高で新たに4年契約を結んだ。今季は自己最多38セーブで自身初のセーブ王を獲得。地元横浜で開催される東京オリンピック(五輪)のマウンドを見据え、転向を決断した。(金額は推定)

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大型契約には狙いがある。1つはフリーエージェント(FA)。松井は早ければ21年に国内、22年に海外FA権を取得。4年契約なら両権利取得後も1年間は契約が残る。安部井チーム統括本部長は「彼がどれくらいチームに必要かを年数で彼に見せたかった」と説明。松井も「FAをとっても楽天でやってほしいという球団の誠意として、金額も普通の評価よりも乗せていただいた。ありがたいです」と感謝を口にした。

2つ目は、投手事情だ。今季ローテを唯一守った美馬がFAでロッテへ移籍。岸、則本昂も今季は離脱が続いた。抑えに穴があく形となるが、同チーム統括本部長は「松井が先発にいった方がプラスになるという判断」と言い切る。チームの今季救援防御率はリーグトップの3・07。安定したブルペン陣、来季の守護神候補にはブセニッツ、森原らが控える。飛躍への土台づくりへ、大型契約で環境を整えた。【桑原幹久】