「S15! な男たち」と題して、3年ぶりリーグ優勝と4年連続日本一を目指すソフトバンクのキーマンをインタビューし随時掲載します。今回は長谷川勇也外野手(35)に直撃。

3年ぶりにA組キャンプに参加しているベテランは、過去に2度手術した右足首の状態も良く「若返った」と手応え。「見返したい」という反骨心をモチベーションに、完全復活への熱い思いを明かした。【取材・構成=山本大地】

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-3年ぶりのA組キャンプだ

長谷川 想像していたより練習できている。もうちょっと練習量についていけないかな、と思っていたけど、普通にできているし、自分でもビックリしている。

-足首の状態は

長谷川 気にならないと言ったらうそになるけど、自分でも驚くぐらいコンディションがいい。普通に、昔の感じに戻っている。体にもあまり張りがない。若返っているような気がする。自分の理想とした形になってきている。オフの成果が出てきているのかな。

-打撃の仕上がりは

長谷川 バッティングはある程度、試合に入っていけるかなというところまできている。後は結果として見ないと、いいのか悪いのか判断できない。試合に行く準備段階としてはできている。だから早く結果を知りたいね。

-早く試合がしたい

長谷川 準備はそれくらいしてきたので、次のステップに入りたいというのはある。

-例年より仕上がりが早い

長谷川 長年やっているから。バットもたくさん振ってきている。基本の形はできている。1年間あまり崩れることはない軸がある。後は応用だね。それは実戦の中でやっていく。例年以上に自分の軸がしっかりできているとは感じる。

-このキャンプでも全体練習後に1000球近いティー打撃を連日行っている

長谷川 体に染みこませるというか、体に覚えさせる。無意識に、打ちたい形で打てるように。1クール、2クールまではやるつもり。3クール目くらいまではやっていこうかな、と思っている。

-それだけ振り込む理由は

長谷川 シーズン中にこれだけ振ることはない。自分の限界というか、飽きてくるし、しんどい。もういいかな、と思うけど、それを我慢してやる。技術的なことより、精神的な強さだね。この年になると、あと何年できるかな、とか考える。もういいかな、とチラッと感じることもある。そこでまだ踏みとどまれるメンタルを作れる。グラウンドで生きることもある。去年やってみて、すごく晴れやかというか、自分の中で「追い込むことができるんだ」という、すがすがしい、やりきった感じがあった。

-モチベーションはどこにある

長谷川 人を見返すためにやっている。手のひら返しをする瞬間が気持ちいいよね。例えばマスコミの人も、ポッと打ったときにはみんな来るじゃない。期待を裏切れることがうれしい。意地だね。

-再びフルで出て、キャリアハイくらい打ちたい

長谷川 それは最高だね。みんなが度肝を抜くんじゃない。そのために、準備をしてきている。

-開幕へ向けて

長谷川 今の状態はいいけど、先の不安はある。1日1日コンディションを整えて、積み重ねてやっていければ。

<長谷川の苦闘>

13年にフルイニング出場し、首位打者と最多安打を獲得。14年も打率3割の好成績を残したが、9月に右足首を痛めた。オフに手術。翌15年は故障の影響で30試合の出場にとどまった。16年は122試合に出場したが、ほとんどが指名打者と代打だった。17年は23試合の出場だったが、ポストシーズンに勝負強い打撃を見せ日本一に貢献。同オフに右足首を再手術した。18年以降は打撃好調でもチーム事情で2軍にいる期間も長く、出場機会をあまり得られていない。