外野の一角を狙う阪神高山俊外野手(26)が、4打数4安打でオープン戦10割発進を決めた。7番左翼で先発出場。2回の第1打席はショートへのゴロだったが、全力疾走で内野安打とすると、3回は右前打。さらに5回にも右前打を放つと7回にも中前打。ヒットショーで猛アピールした。

「立場的にもギリギリなところ。チャンスをもらっているうちに(力を)出し切るというか。開幕して出すのは当たり前ですが、開幕するまでに出し切って、レギュラーとして出られるように頑張ります」

4安打でも気を引き締めなければいけない立場にある。糸井、近本、福留から外野のポジションを奪わないといけない。さらに新助っ人ジェリー・サンズ外野手(32=韓国キウム)もいる。23日にはいよいよ糸井が実戦初登場予定。打ち続けることが生き残る道だ。

必死な姿勢は首脳陣に伝わっている。矢野監督は「このキャンプずっと言っているけど、何とかしたい気持ちを持ちながらやっている。あのボテボテのヒットからの4本は価値がある。(高山)俊らしいヒットが多かった」。井上打撃コーチも「目の色を変えて猛アピールになった。4安打して俊、違うね、って思うよね。2020(ニイマルニイマル)少し違うぜ俺は、ってアピールできてるよね。二重丸」と喜んだ。

ただ、高山には悔しい思いもあるようだ。9回に左腕岡田の場面で代打陽川を送られた。オープン戦時期だけに、首脳陣は多くの選手に機会を与える狙いもあるだろう。それでも高山は「左で代えられるところは続いている。そこの悔しさを持って、代えられないようにというふうに思っていかないと、次につながらない」と引き締めた。多くの思いを乗せ、またバットを振る。【松井周治】