無観客でもガッツ! 阪神矢野燿大監督(51)が28日、無観客でも持ち前のガッツポースを継続する考えを明かした。新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環として、残りオープン戦の無観客試合が決定。キャンプを終えてこの日、20年初の甲子園練習を見守った指揮官は言った。

「照れくさいやろな。ガッツポーズ」。そう苦笑いしたが「楽しむということはずっと言ってる。俺らがやることは変わらない」ときっぱり。29日の敵地ソフトバンク戦からオープン戦が本格化。たとえ無観客でも代名詞の矢野ガッツをちゅうちょなく繰り出す。ナインもこれまで通り、ド派手にガッツポーズすればいい。

球場にファンの存在は不可欠だ。「選手は見てもらえるからこそ、いいプレーっていうのが出るところもお互いあると思う」。ガランとしたスタンドを背にプレーする寂しさはある。ただ、環境が変わってもいつも通りのパフォーマンスで魅せるがプロというもの。指揮官は「逆に言うと、ファンのありがたさも十分感じられる」と力説した。

ソフトバンクのベテラン松田宣の発言も目がとまった。無観客試合決定後も松田は「やります!」と、ホームランを放った後に見せる「熱男!」の絶叫パフォーマンス継続を宣言。矢野監督は「そういう気持ちで臨むのはプロとして大事な部分だと思う」と、敵ながら日本一軍団を率いるリーダーの考え方に賛同する。テレビの地上波のほか、CSやインターネット中継などは普段と変わらず放送される予定。「見られていると思ってというか、やることは変わらへん」と力を込めた。

開幕に向けて重要な時期に差し掛かった。29日のソフトバンク戦は開幕投手に指名した西勇が先発する。新助っ人のボーア、サンズもスタメンに並び立つ。「野手は野手の競争、投手は投手の競争がある。(日本一の)ソフトバンクやから、逆に自分らでプラスにして、アピールしてやろうと思ってくれるのは大歓迎。そういう気持ちで臨んでもらえればいい準備ができる」。環境の変化にとらわれず、開幕に向けて突き進む。【桝井聡】