プロ入り初めて甲子園のマウンドに立つ。日本ハム吉田輝星投手(19)が、6日の阪神戦に登板する。千葉・鎌ケ谷から大阪へ移動した5日、「原点に返った気持ちになって、しっかり1軍スタートできるように。プロに入ったきっかけが甲子園。去年は活躍できなかったけど、今年は活躍しないといけない。そのきっかけが甲子園になれば」と、563日ぶりに戻る聖地へ気持ちを高めた。

18年夏、金足農のエースとして6試合、881球を投げて準優勝。カナノウ旋風を巻き起こした。「気負わずというか、あの時みたいに野球を楽しんでやれればいい」。新型コロナウイルスの影響で、大声援を受けた2年前の夏とは違い、無観客での試合となる。「観客がいなくて気合が入らないことはない。アピールしなければいけないので、やることは変わらない」と冷静を保つ。

栗山監督は、将来的な先発ローテ入りへのステップとして、まずは中継ぎでの1軍入りを検討している。「魂みたいなものは持っていてほしい。こっちも楽しみ。(甲子園で投げることで)思い出してほしい」と期待を寄せる。

高校時代は150キロ超えで、浮き上がるような直球を投げ込んだ。短いイニングが想定される今回も、球速に注目が集まる。「もしかしたら(150キロ台が)出るかもしれないですけど、リリースで100%力めるように。球速よりもキレを意識していきたい」。昨年はわずか1勝止まり。光輝いた場所をステップに、開幕1軍スタートの切符をたぐり寄せる。【山崎純一】