プランB行ける!! 広島長野久義外野手(35)が10日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)で10日ぶりに1番で起用された。1回に二塁打を放って勢いづけると、この回チームは2得点。首脳陣がシーズン中も期待する1番で結果を残した。開幕が延期になったことで調整期間も延びた。実績ある長野がここからさらに状態を上げれば、チームの攻撃の幅も広がっていく。

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雨中のプレーボール直後、三塁側広島ナインの歓声が無観客の神宮に響いた。火付け役は「1番長野」だ。ヤクルト先発スアレスの148キロを捉えて中堅後方へはじき返した。悠々と二塁を奪うと、ベンチを立って祝うチームメートからの声に応えた。続くピレラの右中間二塁打で本塁に生還。降雨により2回終了時点でノーゲームとなったが、初回の攻撃でこの試合に大きな意味をもたらした。

広島打線といえば、1番から田中広、菊池涼が並ぶタナキクコンビが代名詞となっている。今季も2人が打線のけん引役。ただ、朝山打撃コーチは「こういうのもある」と長野、ピレラの上位打線の可能性も示唆する。スアレスや29日の中日ロメロのようなパワーピッチャータイプには、力も併せ持つ2人を並べたい考えのようだ。

鍵を握るのは、長野だ。オープン戦はここまで打率1割4分3厘。スロースターターともいわれている。だが、群を抜く実績と経験から首脳陣の期待は高い。新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズン開幕は延期。朝山打撃コーチは「状態が良くない人も多めに打席に立たせておきたい。延びる期間をうまく利用したい」と切り替える。長野の1番起用のもう1つの理由も、より多く打席に立たせるためだった。

この日、先制直後の1回無死二塁からは3番西川が外角球を強引に引っ張り、一ゴロで走者を進めた。鈴木誠はきっちりと中堅へ飛球を打ち上げ、追加点を奪った。朝山打撃コーチは「理想の攻撃。いい攻撃が初回にできた。100点満点」とたたえた。上位打線が機能すれば得点力は自然と上がる。長野の状態が上がれば、タナキクコンビに加え、「長野&ピレラ」が並ぶプランBのオプションができる。長野は開幕延期に「やることをやるだけ。しっかりと調整したい」といつものようにクールに受け止めた。開幕に向け、前を向く材料はある。【前原淳】