3年目の楽天岩見雅紀外野手(25)が、決勝打を含む2打数2安打と気を吐いた。開幕戦延期の影響で設けられた若手中心の1、2軍合同紅白戦。まずは2回表に新人滝中から左前打。0-0の6回表2死一、二塁では、寺岡から2点適時左二塁打で試合を決めた。返球の間に三塁を狙い憤死も、108キロの巨体を揺らし、走塁でも積極性を見せた。

試合後に報道陣に囲まれると「取材なんて2年ぶりですよ」と照れた。キャンプから取り組んできた打撃改造が実を結びつつある。「間合いを長くして、ボールを長く見られるようにしている」と、決勝打ではスライダーに体勢を崩されながらも、バットにボールを乗せた。三木監督は「ファームから『岩見状態いいですよ』と報告が来ていた。打ち方のタイミングを変えたりと、何とかアピールしようと気持ちの入った打席だった。これからも積み重ねて力をつけていってほしい」と期待を寄せた。

慶大時代に東京6大学で歴代3位の21本塁打を放ち、17年ドラフト2位で入団。しかし1年目は24打数無安打、14三振と奮わなかった。昨年は1軍出場なし。オフには初めて、渡辺直1軍打撃コーチ兼任に誘われた自主トレに参加するなど、現状からの脱却を目指した。今季から背番号も13から38に変更した。

打席に立つたびにプロ初安打を期待される。「あれをやっておけば良かったとならないよう、1日を終われるように。ただただ必死です。先のことは考えないで、とにかく毎日必死です」。まずは1軍昇格に向け、地道にアピールを続ける。【野上伸悟】