阪神は8日、新型コロナウイルスに感染して兵庫県内の病院に入院していた長坂拳弥捕手(25)が退院したことを発表した。長坂は球団を通じて「このたびはファンの皆様をはじめ、球界関係者の方々、そして多くの方々にご迷惑とご心配をおかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。今後は今まで以上にプロ野球選手としての自覚を持って生活し、一生懸命野球に取り組んでまいります」とコメント。球団によると今後は当面の間、関西圏内のホテルで自室待機するという。

阪神では長坂と伊藤隼太外野手(30)藤浪晋太郎投手(25)の3選手が3月26日深夜に感染の有無を調べるPCR検査で陽性判定を受け、翌27日から全員入院していた。伊藤隼は4月5日に、藤浪も7日に退院し、自宅待機を続けている。これで感染が確認された全3選手が退院。だが、球団は慎重な姿勢を崩さない。代表取材に応じた谷本球団副社長兼本部長は、チーム再稼働の協議について「もうしばらくかかるという認識です」と話した。

前日7日には緊急事態宣言が発令され、チームが本拠を置く兵庫県、さらに大阪府も対象となっている。新たな感染者を出さないこと、感染拡大防止に努めることが何よりも重要。谷本副社長は「内部でも一応、保健所の方から言われている濃厚接触者という定義だけではなく、球団内でもそれ以外の接触も含めてやっています。球団内的にも一段落ということでもない。もう少し時間がいる」とした。

チームは3月27日から活動休止中。球団事務所の臨時休業も延長されており、甲子園球場もこの日から臨時休業に入った。チーム再稼働の時期はまだ見えず、慎重に探っていくことになる。【松井周治】