ファンと会えるその日まで…。阪神矢野燿大監督(51)が14日、代表取材に応じ、15日からの自主練習再開への思いを語った。チームは藤浪晋太郎投手(26)ら3選手の新型コロナウイルス感染を受けて3月27日から活動を休止。約3週間ぶりとなる「再スタート」を前に新たな決意を示し、ファンにも、矢野流メッセージを送った。

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矢野監督は言葉を選ぶように話した。「みなさんが苦しまれている状況の中やからね。オレらだけのことで、練習再開したから良かったという思いは現状、そんなに思えない」と前置きした上で「ただ、オレらは『開幕できるようになりました』というところからは逆算していかないと、できない部分がある」。大阪、兵庫にも緊急事態宣言の対象地域。指揮官にとっても複雑な思いを抱えながらの、自主練習再開だ。

まだ、笑顔にはなれない。3月26日に藤浪が球界初のコロナウイルス感染者であることが判明。翌27日には伊藤隼、長坂の感染が分かり、阪神から複数感染者が出る事態に発展した。今月7日には矢野監督も「球界、地域の皆さんに迷惑を掛けた。申し訳ないという反省と、責任はもちろんある」と謝罪。「活動再開」を手放しで喜ぶわけにはいかない。

球団は15日から甲子園、鳴尾浜施設の施設開放、自主練習を開始することを13日に発表。密集を避けるため1軍選手は甲子園、2軍は鳴尾浜施設に分かれ、さらに午前、午後の時間帯でもグループ分けする。監督、コーチは甲子園、鳴尾浜ともに視察を控える方針。矢野監督も歯がゆい時間を過ごすことになるが「みんなが(いろんなことに)気づく時間だと思う。今までもみんなに対して、やらされるんじゃなくて、自分がどうやるかという大事さをみんなに伝えてきた」と選手への信頼を口にした。

まだ開幕日が定まらないという前例のないシーズン。だが、前を向き準備を進めるしかない。「目の前に全力尽くして、再開できた時にファンの皆さんと一緒に野球ができるというところを想像しながら、目の前のことに対してベストを尽くして、より良い結果を出す。(ファンを)喜ばすということは変わらない」。必ずファンとともに矢野ガッツを繰り出す。【桝井聡】