夏男で開幕ダッシュ! 阪神秋山拓巳投手(29)が開幕ローテ入りへさらに意欲を燃やした。

紅白戦登板を翌日に控えた30日、甲子園での集合練習後にオンライン取材に対応。先発6枠入りのライバルだった高橋、藤浪が圏外となり「そこを奪うくらいの気持ちでいます」と熱く語った。自己最多12勝を挙げた17年は7、8月の8試合で無敗の6連勝。今年は6月19日開幕の日程を味方につけ、スタートから波に乗る。

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開幕ローテ候補たちが離脱する中、秋山は力強く宣言した。「(高橋)遥人に関しては軸で期待されていたと思うけれど、今はいない現状なので、そこを奪うくらいの気持ちでいます」。有力候補だった高橋はコンディション不良から開幕は絶望的で、藤浪が練習遅刻を理由に2軍降格。31日の紅白戦でアピールし、空いた先発枠をしっかりつかみにいく。

開幕は6月19日に決定。暑い季節はすぐにやってくる。「暑いのは嫌いじゃないんで、むしろ歓迎です」と話す秋山は「夏男」でもある。安定した制球力で自身唯一の2桁、12勝をマークしたのは17年。そのうち7、8月だけで無傷の6勝を挙げ、この間の防御率は2・42。さらに秋山が先発したこの8試合でチームは8連勝だった。暑さをものともしない存在は、異例の今シーズンも頼もしい。試合数も120と例年よりも少ない。「僕の中の理想は先発完投型なので、より1試合でも多くイニングをこなしたいですし、今年、特に3連戦が続くと思うので、中継ぎの方の負担も減らすためにはフル回転したい」。夏場に白星を重ねて勢いに乗りたいところだ。

チームの活動休止前最後の実戦登板となった3月21日ヤクルト戦(神宮)では、5回からマウンドに上がり5回2安打無失点と好投した。「球自体も悪くないと思うので、3月よりいい状態で入れると思う」。自身の状態に上積みを感じており、さらなる好投が期待できそうだ。「カード頭を投げられるということが、すごくやりがいを感じられる。そういうところで投げられるように、まずは与えてもらった場所で頑張れたらなと思ってます」。開幕ローテ入り狙うだけではない。チームにとって大事なカード1戦目を、貪欲に狙っていく。【磯綾乃】