ソフトバンク東浜巨投手(29)がプロ8年目で初の開幕投手を務めることが決まった。

1日、工藤監督が明かした。19日の開幕ロッテ戦(ペイペイドーム)翌日が誕生日。球団名がソフトバンクになった05年以降、最年長で初の開幕投手を迎える。東浜は球団を通じて「選手もファンの皆さんも特別な気持ちを持って迎える開幕になると思います。そんなシーズンの第1試合目の先発を任せてもらえることになり光栄です」と胸中を明かした。

休養日だった東浜を除く先発陣は2日から再開する練習試合オリックス戦(京セラドーム大阪)に向けて本拠地で調整。その後のオンライン取材で工藤監督は、前日5月31日に本人に通達したと明かし「彼自身、今年に懸ける思いはキャンプから見ていて感じる部分があった。今年1年しっかりやらないといけないという、強い思いが見えた」と起用理由を説明した。

2年連続で開幕投手を務めた千賀が故障で出遅れる中、東浜はリーダーシップも発揮しながらここまで順調に調整。3月20日の開幕投手に1度は決まっていた。だが新型コロナウイルスの影響で開幕延期となり、その座はいったん白紙となった。それでも指揮官は「自粛期間中も彼のやっている練習の姿だったり、話をしても、開幕が見えない中でレベルを上げていきたい強い思いが見えた」と高い意識で取り組む右腕の姿を認めた。直近の紅白戦で2戦連続で3回無失点と結果も残し、文句なしで再び大役を手中にした。

東浜は17年に最多勝を獲得したが、ここ2年はケガに泣き、7勝、2勝ともがいた。紆余(うよ)曲折を経てつかんだ大舞台。30歳になる前日に、大輪を咲かせる。【山本大地】