阪神矢野燿大監督(51)が開幕G倒へ闘志を燃やした。1日に今季公式戦日程の一部が発表され、阪神の19日からの開幕カードは敵地東京ドームでの巨人3連戦に決定。虎は昨年、宿敵に分が悪く、クライマックスシリーズのファイナルステージでも敗れているが、今季はそうはいかない。指揮官は打倒巨人で開幕ダッシュを引き寄せる決意をみせた。

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願ってもない舞台が整った。矢野阪神が宿敵といきなり激突する。6月19日、敵地に乗り込み、巨人をたたく。矢野監督が気合のコメントを発した。

「注目してもらえると思う。去年だいぶやられたから、やり返したいなという気持ちもある。いろんな思いを持って(コロナ禍で)野球ができなかったという特別なシーズンで、またジャイアンツと開幕カードができるのはプラス。どこも開幕ダッシュしたいと思うので、その気持ちをぶつけて」

オフからG倒への思いを積み上げてきた。昨年11月21日の球団納会でも「強いジャイアンツを倒せるようなチームに、全員でなっていきましょう」と大号令をかけている。昨年はリーグ3位も、巨人には初戦から6連敗を食らうなどシーズン10勝15敗と最も分が悪く、8年連続で負け越しを喫した。クライマックスシリーズのファイナルステージでも敗退。矢野監督の闘志が燃え上がるのも当然だ。

「3連戦だけが開幕じゃないんやけど、やっぱり気持ちが高ぶっていくと思う」という開幕カードは、宿敵たたきというだけでなく、もう1つ大きな意味を持つ。阪神は開幕から5カード連続のビジターとなる日程。異例の長期ロード発進も、矢野監督は「それはあまり思ってないね。ホームでやらしてくれって言っても、日程がそうなってたらね。それは言い訳しない」ときっぱり。「伝統の一戦」となった開幕カードで巨人を倒せば、遠征続きのスケジュールも勢いに乗って臨める。

さらに甲子園初戦の7月7日は巨人戦。そこでも続けざまにG倒となれば…。虎が宿命のライバルをなぎ倒し、日本一ロードを突き進む。【松井周治】

<阪神開幕戦での巨人戦>

◆初の顔合わせは白星発進(37年秋)1リーグ時代の37年秋開幕戦に対戦し、剛腕・沢村栄治を打ち砕き快勝。勢いに乗った阪神はこのシーズンを制し、球団創設初優勝を飾った。

◆2リーグ分立後初V年も(62年)セ・リーグ発足後初の開幕での対戦。ベテラン小山正明が新人城之内邦雄との投げ合いを制した。この年阪神は2リーグ制後初の優勝を果たした。

◆野村阪神初陣で大敗(99年)ヤクルトから迎えた野村克也監督の初戦。列島注視の試合は、救援の福原忍が高橋由伸に満塁本塁打を許すなど大敗スタートとなってしまった。

◆星野監督は白星発進(02年)進境著しい井川慶を開幕投手に抜てき。期待にこたえ完投勝利を挙げた。開幕戦勝利は、実にチーム12年ぶり。翌年Vへの確かな1歩となった。

◆菅野を倒し快勝(18年)福留、大山が本塁打攻勢。メッセンジャー、マテオ、ドリスとつなぎ逃げ切った。巨人の大エース菅野に、開幕投手としては初の黒星をつけさせた。