ロッテの名物場内アナウンス担当・谷保恵美さん(54)が今季、30年目のシーズンを迎えた。23日付の日刊スポーツ紙面でのインタビューに掲載できなかった分も合わせ、前後編に分けて、あらためて思いを紹介する。

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Q.ステイホームの約2カ月間は、どのようにお過ごしでしたか?

谷保さん「球団も在宅勤務でした。アナウンスとしては、いつもはオープン戦から開幕までの間に、登録選手のメンバー表を作ったり、名前をチェックしたりしています。自分が読みやすい用のものを」

Q.アナウンスの自主トレのようなことは?

谷保さん「家で発声練習していたんですか? ってよく言われるんですけれど、最初のうちはあまり声を出していなくて。声が出なくなると困るので、歌を歌ったりしていました。自分の気分が上がるような歌、声を出しやすい歌を」

Q.歌はお好きなんですか?

谷保さん「金曜日ナイターからの土曜日デーゲーム、とかだと声が出ないんですよ~。土曜日の朝とかは、海浜幕張の駅からここまで歌いながら来たりするんです。好きなK-POPとか、ドリカムの歌とか。未来予想図、晴れたらいいね。K-POPは男性グループの歌が好きです」

Q.歌う以外には?

谷保さん「尊敬するアナウンス担当の先輩方に、どのように過ごされているか伺ったところ、声を出すためのトレーニングとして、腹筋や楽器などで喉を鍛えていらっしゃるとお聞きして、さすがだな~と、見習わなければな~、と思い、腹筋も少しやりました」

Q.いよいよシーズン開幕です。開幕戦のげんかつぎはありますか?

谷保さん「そういうのはないですね。でも、私はスコアブックをつけながらアナウンスをするんですけれど、攻撃の時はいつも赤ボールペンで待機してます。(赤で書く)ヒットが出るように、って。逆に守備のときは黒待ちなんです」

Q.谷保さんもビジター6連戦では、テレビ観戦の毎日になると思います。普段近くで見ているからこその「おすすめのテレビ観戦方法」はありますか?

谷保さん「スタンドで観戦されていると、選手名鑑を見ながらというのはあまりないと思いますが、テレビ観戦の際は、選手名鑑で選手や監督、コーチのプロフィルで出身地や出身校、血液型なども熟読して見るのも楽しいです。あ~、あの時の甲子園で○○選手と対戦してたんだ~。○○選手と同じ高校で1年、3年だったんだ~。B型!? やっぱり~…みたいに」

Q.テレビ観戦ならではで楽しそうですね。

谷保さん「あとは、テレビは選手がくっきり大きく映るので、マウンドや打席でのルーティンや表情を観察して、くせをモノマネ。それと、敵チームの応援歌も思いっきり歌う。球場では好きなチームのしか歌わないので。脱線しましたかね…」

Q.最後にあらためて今季への思いを。

谷保さん「こういう始まりですけど、千葉で満員のお客さんと一緒に胴上げを見たいなと思います。05年も10年のビジターだったので。マリンでお客さんと一緒というのは、格別だなと思いますね」