#コロナに負けるな千葉ロッテ

ロッテは6日、荻野貴司外野手(34)藤岡裕大内野手(27)ら選手7人を含む11人が、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。4日判明分を含め計13人。濃厚接触者認定も4選手という非常事態だ。この日は緊急昇格のドラフト3位・高部瑛斗外野手(22)を1番打者で起用も、オリックスに2安打完封負け。大変な状況だが、ソフトバンクとの優勝争いは待ってくれない。前を向いて戦う。

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主力の名が連なった。陽性判定を受けたのは荻野、藤岡の他に清田育宏(34)角中勝也(33)菅野剛士(27)の外野手3人と鳥谷敬(39)三木亮(28)の内野手2人。走塁部門などを担当する伊志嶺翔大コーチ(32)とスタッフ3人の合計11人となった。スタッフ1人に熱などの症状があるものの、選手たちは無症状と発表された。

4日には岩下大輝投手(24)とスタッフ1人が陽性判定。9月末からの札幌遠征時の移動便で、岩下と座席が近かった山本大貴投手(24)東妻勇輔投手(24)小野郁投手(23)和田康士朗外野手(21)の4人が濃厚接触者の認定を受けた。選手12人が登録抹消され、自宅療養に入った。

松本尚樹球団本部長(50)は「一生懸命(対策を)やっていた。謝る必要はない」と選手たちを守った。それでも井口資仁監督(45)のもとに、選手たちから戦線離脱をわびるメッセージが届いた。「1日でも早く元気になって戻ってほしい」と返信。「彼らは家族のフォローもしなくちゃいけないので、そのへんも含めて頑張ってくれと伝えました」。

マーティンは“ファミリー”と表現する。全員で戦った3カ月半があるからこその2位。遊撃と外野を中心に、11選手が緊急昇格。主力離脱は手痛いが「逆に言えば、若い選手には非常にチャンスでもあります」と指揮官。ルーキー高部を1番打者に抜てきした。

2軍では打率3割6分8厘をマークするが、4打数3三振。1軍は甘くなかったが指揮官は「どんどん使っていきたい」と言う。藤原ら出場機会がなかった緊急昇格組の姿も見ていた。「声を出し、いろいろな準備をやってくれている。チャンスがあればみんなに与えたい」。

ここまでの快進撃を支えてきた縁の下の力持ちたちが、療養に入る。まだ経験はなくとも、若手が代役で光ることが逆転Vへの道だ。「優勝争いで試合に出られるのは非常にいい経験。チャンスに変えてほしい」と井口監督は願う。今のメンバーでの1勝が早くほしい。【金子真仁】

◆ロッテが新たなコロナ禍に見舞われた6日、ツイッター上で「#コロナに負けるな千葉ロッテ」のハッシュタグがあふれ、トレンドの国内1位にも入った。タグを作った千葉県在住の女性は、日刊スポーツの取材に「岩下選手の感染で不安な気持ちでいっぱいになり、26番目の選手である私たちファンも何かできないかと思いました。私たちファンの心の中にある希望や選手への思い、今後の不安も全て、このタグに乗せてたくさんの人と共有していけたらと思っています」と明かした。願いを込めたハッシュタグはすでに、井口監督をはじめ球団関係者も認知している。

◆感染拡大防止特例2020(通称・特例2020) 新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者などが出た場合、影響を最小限に抑えてシーズンを円滑に進行させるため柔軟に選手を入れ替えられるようにする今季限りの特例。感染やその疑い(選手及び家族)、発熱があったり、濃厚接触者となった場合、特例2020対象の出場登録抹消選手として公示し、代替選手を指名できる。登録抹消選手は、規定の10日間を経ずに再登録可能。