今オフにもポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー挑戦の意向を持つ日本ハム有原航平投手(28)と西川遥輝外野手(28)が、本拠地最終戦のオリックス23回戦(札幌ドーム)で躍動した。ともに、今オフに球団からポスティング申請を認められれば、本拠地での最後の試合となる一戦で有原5回1失点で8勝目、西川は先制のホームを踏むなど4打数1安打で勝利に貢献。球場に詰めかけた今季最多1万9109人のファンへ白星を届けた。

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有原が今季最終登板を白星で締めくくった。「序盤から先制してもらいましたが、ランナーを多く出してしまい、いいテンポで投げることができませんでした」と振り返ったように、初回の先頭佐野に10球粘られるなど、リズムよくアウトは重ねられなかった。それでも、5回まで投げて失点はソロ本塁打による1点のみ。走者を出しても、慌てることなく、150キロ台の直球と多彩な変化球で決定打を許さず。8勝目に「味方のいい守備と宇佐見の好リードに助けられました。打線の援護と守備に感謝したいです」と振り返った。

2日に出場選手登録を抹消される予定で、この日が日本ラスト登板になる可能性が出てきた。昨年の契約更改の席で、今オフにもポスティングシステムを利用して大リーグへ挑戦したい意向を球団に伝えた。この日までに通算6年間で60勝を挙げ、新人時代から6年連続でシーズン100イニング以上を投げ続けてきた。ルーキーイヤーは新人王、昨季は最多勝も獲得。球団も、これまでの実績を認めており、本人が決断すれば、容認する可能性も十分ある。

今季、有原に2度目となる開幕投手を託した栗山監督もかねて「夢を持った選手たちは、みんなで応援してきたつもり」と本人の意思を尊重する心づもりもできている。試合前には「いろんな思いが本人にもある。こっちにもある。ファンの皆さんに応援してもらったっていうのもある。感謝の気持ちを体で表現するのが一番」と本拠地最終戦の先発を託した思いを明かした。有原も最後の本拠地登板となるかもしれない試合で快投を見せ、指揮官の期待に応えた。【木下大輔】

◆有原航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日、広島県生まれ。広陵では3年時に甲子園春夏連続出場。早大では通算19勝12敗、防御率2・72。14年ドラフト1位で日本ハム入団。15年新人王。19年は15勝で最多勝。189センチ、95キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億4500万円