オリックスからドラフト1位指名を受けた福岡大大濠・山下舜平大(しゅんぺいた)投手(18)が23日、福岡市内のホテルで仮契約を結んだ。背番号12で契約金8000万円、年俸700万円。

オリックスのユニホームに袖を通した最速154キロ右腕は「とても良い番号をもらえた。オリックスの12番は自分しかいない。(スピードは)出れば出るほどいい。160~165キロを目指す。(限度なく)上を上を目指していきたい」と、剛速球で「山下の12番」を印象づけると力強く宣言した。福良GMは「真っすぐの強さもあって、カーブもいい。(今の持ち球は)2球種だけですけど、十分に魅力がある」と期待した。

日本最速は16年10月16日、クライマックスシリーズ(CS)のソフトバンク戦で日本ハム大谷(エンゼルス)が出した165キロで、公式戦の最速は同じく大谷が16年9月13日オリックス戦でマークした164キロ。メジャー最速は、15年の動作解析システム導入以降は16年チャプマン(ヤンキース)、18年ヒックス(カージナルス)の105・1マイル(約169キロ)と、怪物の名前が並ぶ。

直球の威力を増すように「リリースの瞬間の指。できるだけ前で離せるように」と工夫を重ねる。日本シリーズ第1戦をテレビ観戦し、改めて感じた。「直球がすごい中で菅野さんならスライダー、千賀さんならフォーク。自分ならどうする? ではなくて(2人が)変化球を投げるタイミングを見ていた」。舜平大の由来はオーストリアの経済学者ヨーゼフ・シュンペーターから。発見の連続で進化を重ねる。【真柴健】

▼オリックス縞田スカウト(山下を担当し)「真っすぐに衝撃を感じた。165キロを目標にやっている。170キロの可能性も感じる」

▼オリックスの背番号12 1936年(昭11)、最初に背負ったのは松本光三郎捕手。50~60年には通算91勝を挙げた柴田英治投手、68~81年には名外野手として知られる大熊忠義が着けた。82~94年はドラフト1位の山沖之彦投手が背負い、通算112勝をマーク。10~12年は木佐貫洋投手、18、19年は助っ人内野手のマレーロが着けたが、今季は空き番号になっていた。