来季の本拠地で一足先に剛腕を発揮した。ENEOS(横浜市)は、延長10回タイブレークで敗れたが、巨人からドラフト4位で指名された三菱パワーからの補強選手、伊藤優輔投手(23=中大)が7回から登板し最速156キロを記録した。

伊藤が7回に自己最速を1キロ更新する156キロをたたき出すと、スタンドがどよめいた。「球速は肩書についてまわるものなので、大舞台で更新できて、すごくよかった」と納得の投球だった。

150キロ超えを連発させ、9回までの3イニングは打者13人に対し2安打無失点2奪三振。しかし、延長10回1死満塁からのタイブレークで、先頭打者に2点適時二塁打を許し、サヨナラ負けを喫した。「もう一段ギアを上げて、今までで一番ぐらいの球を投げられなかったのが悔しい」と唇をかんだ。

小山台(東京)時代は甲子園に出場した「都立の星」。来年からは都市対抗と同じ舞台、東京ドームが本拠地となる。「そういう思いもあって投げた。すごく投げやすかった。硬いマウンドの方が好きなので」と手応えもつかんだ。社会人最後の大会では負け投手となったが、プロでは白星を量産していく。