ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(18=明石商)に、早くも大役が舞い込む!? 故郷の兵庫・丹波篠山(たんばささやま)市が、プロに羽ばたいた最速151キロ右腕に「丹波篠山ふるさと大使」への就任を要請する見込みとなった。

同市の酒井隆明市長(66)はリップサービスではなく、かなり本気で願っている。「中森君にふるさと大使をお願いしたいと思っています」。落語家の桂文珍、お笑いタレントの森田まりこらが務める同大使に、金の卵が仲間入りすることを熱望した。

黒豆やぼたん鍋で知られる山あいの町から、実に51年ぶりのプロ野球選手輩出。酒井市長は「地元の少年野球団、中学校の部活動で育った子。市民からすると自分たちの子どものように思っています」と期待を込める。「市内の野球好きの半分以上が阪神ファン」と感じていた市長も、ドラフト後は事あるごとに「これからは市民みんながロッテファンです」と高らかに宣言。盛り上げ策の第1弾として、近く市内9カ所に祝賀横断幕を掲げる予定だ。

ふるさと大使についても今後、球団と中森本人に打診予定。すぐの就任か、将来的な就任か、時期も含めて協議していく。中森は26日のロッテとの契約会見で「恩返しできるよう、中森俊介という名前を使って、丹波篠山市をもっと有名にできたらなと思います」と力強く故郷をPR。立場はどうあれ、風情豊かな“日本遺産のふるさと”を「1年目から15勝したい」という強い思いで、全国区にする。【金子真仁】

◆丹波篠山(たんばささやま)市 兵庫・神戸市の北約40キロに位置する、人口4万人ほどの都市。19年5月1日、令和への改元と同時に篠山市から改称した。黒豆や栗、コシヒカリなどの農業が基幹産業。猪肉のぼたん鍋も有名。池井戸潤氏の「半沢直樹」シリーズの最新作「アルルカンと道化師」(講談社)にも、丹波篠山が登場する。同市からのプロ野球選手輩出は、市広報誌によると、69年ドラフト外で近鉄に入団した三宅成幸以来、51年ぶりとなる。