闘牛のごとく、勝利だけを目指してモー突進する。日本ハム栗山英樹監督(59)が気合の牛ポーズで、還暦イヤーに弾みを付けた。球団の仕事納めとなった25日、札幌市内の球団事務所を訪れて、取材に応対。「来年、年男なんだよ」と正月用に飾られた門松の隣で、牛の角を人さし指で表現。「鬼じゃないからね」と笑顔を見せた丑(うし)年生まれの指揮官だが、早くも脳内は戦闘モード。5年ぶりの覇権奪回へ向けて、戦略を練り続ける日々を送っている。

栗山監督 何でもやるぞ。「中田1番」とか、合いそうだよな。初回の1番バッターって大事じゃない。(西川)ハルキみたいに四球を取れる打者も重要なんだけど、逆に一発が打てるヤツだったら、どうなるんだろうとか…。ただ(中田が)塁に出ると後ろの打者がきついなとか、いろいろ考えるよ。

来季、1番打者に中田を起用する案は、あくまで栗山監督の脳内シミュレーションの氷山の一角。現状は全ての可能性を洗い出している段階だ。「勝つために、なんでもやってやる」という決意がベース。5位に終わった今季と同じことをやっていても勝てないと分かっているからこそ、常識にとらわれずに勝てる形を模索中だ。

栗山監督 みんなを勝たせるために思いきりやるぞ、と。みんな付いてきてくれ。それしかねえな。

牛の角に見立てた両人さし指は、まるでリーグ制覇と日本一達成を示唆するNO・1ポーズか-。悔しい1年にけりをつけ、捲土(けんど)重来の新年を見据えた。【木下大輔】