広島堂林翔太内野手(29)が27日、「打率3割」を今季の目標に掲げた。1月は昨年に続き鈴木誠らと沖縄県内で自主トレを敢行し、技術に磨きをかけた。自主トレの合間には鹿児島市内の最福寺で5年連続の護摩行も実施。26日からはマツダスタジアムで1軍沖縄春季キャンプへ向けた最終調整を行っている。さらなる飛躍へ、準備を整える。

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堂林のこんがりと焼けた肌が、充実の自主トレを物語っていた。1月は昨季の活躍の一因となった鈴木誠との自主トレに今年も志願して参加した。「しっかり投げて打って、いい自主トレを送ることができた」。約20日に及ぶ鍛錬を終え、26日からマツダスタジアムに戻り、キャンプインへ向けた準備を進めている。

背水の覚悟で臨んだ昨季は、三塁のレギュラーに定着。8年ぶりの規定打席に到達するなど、存在感を示した。前回の自主トレでは主砲から体重移動などの助言を受け、結果につなげた。今回は「誠也はいろいろと新しいことに取り組んですごく向上心があるなというのを改めて感じられた。勉強をさせてもらいましたし、またいい発見ができたかなと思います」と新たな手応えをつかんだ様子だ。

同じく自主トレに参加していた中日石川昂にも大きな刺激を受けた。鈴木誠に熱心にアドバイスを求めていたという中日の主砲候補に堂林は「19歳で、すごい力強いスイングをする。自分が19歳のことを考えると全然レベルが違う。自分も負けちゃいけないなと思わされた自主トレでもありました」と引き締めた。

課題の守備とも向き合った。昨季はリーグワーストの18失策を喫した。「そこもまたしっかりやらないと1年間レギュラーで出られない。少しでもミスを減らせるように」と、同じく自主トレを行う曽根に練習に付き合ってもらい、守備練習にも時間を費やした。「暖かいところでしたし、ボールもしっかり投げられた。やれることはやれたと思います」と振り返った。

今季の目標は「打率3割」だ。昨季序盤は首位打者を独走したが、後半に失速。しかし最終的に打率2割7分9厘と健闘した。堂林は「昨年の成績は上回れるように、自分も高い目標をもって最終的に3割を超えられたら」と闘志を燃やす。勝負のキャンプへ向け「走攻守すべてでレベルアップ出来るようにやっていきたい」と気合を入れた。さらなる躍進へ、臨戦態勢に入った。【古財稜明】

<プロ入り後の堂林>

★中京大中京から09年ドラフト2位で広島に入団。

★3年目の12年に開幕戦で1軍戦デビュー。全144試合に出場し、規定打席にも到達。チーム最多の14本塁打を放つなどして、ブレークを遂げた。

★同年11月には侍ジャパンに初選出され、キューバとの強化試合に出場。

★13年には背番号が「13」から「7」に変わった。

★14年オフに当時TBSのアナウンサーで現在はフリーアナウンサーの枡田絵理奈と結婚。

★15年からは出場機会が減少し、19年は1軍デビュー後最少の28試合出場に終わった。

★20年には「7番一塁」で6年ぶりに開幕スタメンを勝ち取り、三塁のレギュラーに定着。8年ぶりに規定打席到達し、打率2割7分9厘、14本塁打、58打点を記録した。

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