唯一無二の背中に、思いを込める。楽天石井一久GM兼監督(47)が27日、ヤンキースFAの田中将大投手(32)へ背番号18を提示する考えを示した。現時点で金額、契約年数など正式な条件提示は行っていない。右腕の13年オフのメジャー移籍以降、準永久欠番としていたエースナンバーを、満を持して用意する。今週中にも今後の方向性を示す見通しの田中側の決断を、万全の準備をもって、待つ。

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「楽天の18」。創設2年目の06年から7年間、田中はファンの思い、願いとともに背負った。13年に前人未到の24連勝。勝ってくれ-。東北の人々の念力に応え続け、球史に伝説を刻んだ。あれから8年。ヤ軍では19を背負う右腕に、当然ながら最も大事な番号が、何にも先んじて用意される。

石井GM兼監督は「18番は長く空けている番号。思い入れのある番号だと思いますし(日本復帰を決断し)迎え入れる場合には、その番号をたんすから引っ張り出してくるという思いはある」と考えを示す。ファンはもちろん、グラウンド内の選手たちへも間違いなく好影響を与える、唯一無二の背中に宿る力は計り知れない。

現在、背番号をはじめ、金額、単年、複数年を含めた契約年数など、正式な条件提示は行っていない。同GM兼監督は「うちは迎え入れる準備をしていく球団。決断をした時に来ていただける準備をしていかなければならない」と説明。メジャー移籍後の7年間で日本国内、球界は変化を遂げている。金銭面ではなく、生活環境に重きを置く田中側へ球団は疑問、不安を解消するためのコミュニケーションを継続。日本復帰を決断した際に、すみやかに正式オファーを出し、契約をまとめるための準備を進めている。

田中側は今週中にも今後の方向性を示す見通しだ。日本復帰、米残留の2択にとどまらず、現状通り、米市場の動きを継続して注視する選択肢もある。球団は右腕の回答に期限を設けず、2月1日の日本のキャンプイン以降もコミュニケーションを継続する方針。今年で東日本大震災から10年。夢物語が現実となる日へ。まずは、東北に希望をもたらした「楽天の18」が準備される。

◆ヤンキースの先発投手状況 1月24日にパイレーツから先発右腕タイロンを交換トレードで獲得し、頭数はそろった状況となった。今オフは、レンジャーズからFAとなったサイ・ヤング賞2回の右腕クルバーとも1年契約で合意。エースのコール、ヘルマン、モンゴメリーらとともにローテーションを担うことになる。

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