オリックス吉田正尚外野手(27)が、日刊スポーツに独占コラム「頂に駆ける」(随時掲載)を執筆することになりました。第1回は新選手会長として目指す25年ぶりVへの意気込みや、東京五輪への思いを激白。昨季の首位打者が、勝者の勲章でもある「金色」へのこだわりを明かしてくれました。開幕前哨の練習試合・西武戦(宮崎市清武)では、開幕投手が内定している高橋撃ちの先制二塁打。11年ぶり開幕勝利へ会心の景気づけです。【取材・構成=真柴健】

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日刊スポーツ読者の皆さん、オリックスの吉田正尚です。いつも温かい応援ありがとうございます。今年も変わらぬご声援のほど、よろしくお願いします! 

ここまで、宮崎キャンプでの練習は順調です。チームが勝つため、野球がうまくなるための練習ができています。

このオフも5年連続で室伏広治さんと練習させていただきました。室伏さんから学んだのは「立ち居振る舞い」ですね。謙虚さ? というか「人間性」です。スポーツ庁のトップ(長官)にも就任されていますし、競技の実力だけではない。心の余裕、懐の深さがすごいなぁと。体も大きいですけど、心も大きいなって、いつも思います。

他の競技から学ぶことは多々あります。1番を目指してやっていることは同じ。個人スポーツでは、オリンピックの金メダルを日々目指しておられます。そんなモチベーションやメンタル面などを含めて、今いろんな業界のトレーニングを参考にしています。どこにヒントが隠されているかわからないので。まだまだ新しい発見がいっぱいありますよ。

今回のキャンプではバレルバット(※)や、一本足のゲタなど、新しい練習道具にも挑戦しています。まだ効果はわかりませんが、良いものはどんどん使って。それが常に上のステージを目指すための「向上心」だと思います。やってみないとわからないことばかり。失敗もあると思いますが、試さないことには意味がないので。

メーカーのアンダーアーマーさんに何本か「金色バット」をいただきました。昨年、首位打者を獲得した「お祝い」として。お世話になった方々にプレゼントさせていただきました。デザインも、バット職人の方に作っていただいて。記念に残るというのも、メーカーさんの配慮があったと思います。もちろん、室伏さんにも渡しましたよ(笑い)。実家にも送りました。

次は「金色グラブ」を狙いたいですね。ゴールデングラブ。やっぱり、糸井さんも、ギータさんも持っていますし、1個、家にあったら映えそうじゃないですか(笑い)。やるからには獲得したいですね。去年は30票、頂いたので…。記者の皆さん、投票、お願いします(笑い)。

「金色」へのこだわりは、あります。チームカラーでもありますし、見てくれる子どもたちに「吉田正尚、かっこよかったな」と思ってもらえるように。自分も結果を出して、憧れられるような選手になっていかないと。活躍することで、宣伝効果にもなってほしいですね。メーカーさんも売れないと商売にならないので(笑い)。

今年は東京五輪も行われます。まだ、選ばれてないですし、何もわかりませんけど…。やっぱり、野球選手である以上は高いレベルでやっていきたい。経験をした人しかわからないプレッシャーや重みはあると思うので。日の丸を背負って聞く国歌だったり、特別なものがあると思う。そんな場面でプレーしたい。一人の野球選手として、強く感じています。

オリックスでは今季、選手会長になりました。肩書が増えましたが、特別変わらず、チーム全体を見ていけたらなと。何をするのも、1番を目指して。チームとしては優勝を目指して。今年も1年間、けがなくしっかり戦いたいと思います。応援よろしくお願いします!(オリックス・バファローズ外野手)

※バレルバット バレル(たる)型にふくらんだ部分の重みを利用することで、正確なスイング軌道を身につけることが狙い。芯の部分が体から離れないため、スイングスピードが増し、より強い打球を打てるようになるという狙いがある。