ソフトバンクが逆転勝ちで今季2度目のカード3連勝を決めた。中村晃外野手(31)はともに今季初となる適時打が決勝打となった。

1点を追う8回。日本ハムのセットアッパー、宮西からデスパイネの犠飛で追い付くと、直後の1死二、三塁で詰まりながら右前に落とし、2点を勝ち越した。「なんとかしたいという思い一つにいきました。とにかくランナーをかえそうと、その気持ちだけでした」。クールな男は珍しく両手に拳を作り、何度もガッツポーズした。

14年最多安打の安打製造機は、ここ2年は自律神経失調症や両膝の故障に悩まされ、開幕メンバーに入ることができていなかった。それだけに「もう1度、全部出られるところを見せられれば」と、フル出場を目標に3年ぶりの開幕戦を迎えた。だが熱い思いとは裏腹に、開幕カードは3戦無安打。いい当たりの打球が正面を突く場面もあり、悔しさをあらわにしたこともあった。

打順も開幕の5番から、7番に下がった。この日は2安打したが、まだ打率1割台と苦戦が続く。北の大地で残した泥臭い一打が、浮上のきっかけになるか。工藤監督も「ああいう一打が彼自身の調子を取り戻すきっかけになってくれれば。集中力はさすがだなと思いました」とたたえ、期待を寄せた。

5連敗のあと3連勝。9日からは敵地仙台で、首位楽天との3連戦に臨む。選手会長2年目の中村晃は「明日も全員で勝ちを取りに行けるように、頑張っていきたい」と力強く言った。【山本大地】

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