宿敵を倒すために「振らない」。首位楽天がソフトバンクと今季初戦を引き分けた。12年以来、8年間勝ち越しがない相手に勝機を見いだすカギは“積極的四球”にある。

唯一2季続けて王者に勝ち越しているロッテはソフトバンクから昨季は111個、一昨季は西武の115個に次ぐ112個の四球を選んだ。今季、ソフトバンクが与えた四球は両リーグワーストの67個。150キロを超える剛腕ぞろいの投手陣を崩すために「好球必打」の姿勢が重要度を増す。

この日楽天が選んだ四球は3。2回、7回ともに得点圏まで走者を進めた。いずれも得点にはつながらなかったが、勝負の分け目となる好機は作った。

両リーグトップのチーム72四球(2位はロッテの60個)に、同打率も2割4分でリーグトップ。追い込まれてから厳しい球をカットし、甘い球を強振する。指揮官が徹底する「2ストライクアプローチ」の浸透が数字に表れてきた。「何でもかんでも四球を選ぼうという姿勢ではない。積極的にバットにコンタクトしていくことを目標に、もう1つ上のレベルで、しっかりとスイングしていく中でボールを選べるということが今はできている」。二兎(にと)を追い、じわじわと攻め立てる。

昨季本塁打王の4番浅村がチームトップの14四球、5番茂木が13四球、3番島内も12四球。クリーンアップへの警戒度は強く、6番鈴木大以降、日替わりの7~9番の下位打線にも多くの好機が巡る。どこまで「振らずに」攻められるか。2戦目以降も圧をかけ続ける。【桑原幹久】

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