阪神島田海吏外野手(25)がアクシデントをはね返す活躍を見せた。

3試合連続1番起用で、3打数2安打2四球1盗塁。「なんとか食らいつく」と、防御率リーグトップの中日柳を初回先頭から襲った。中前打で出塁後、近本の二ゴロで先制のホームイン。直後、2回表の守備から近本が負傷でベンチに退く緊急事態も、島田が火をつけた打線は最後まで一丸だった。

2点リードの2回1死二、三塁では143キロ外角直球を左中間へ。2点適時二塁打でグッと流れを引き寄せた。

「『とんでもないんじゃないか』ってくらい、すさまじいピッチングで、僕も負けてられないなって」

17年ドラフト同期の先発高橋の快投に心が震えた。2回からは近本に代わり中堅へ。真後ろから見る背番号29を刺激に、前日無安打の屈辱を意地で返した。「いつもチャンスがもらえる立場じゃない。1打席1打席大事にすることが結果につながった」とうなずいた。

試行錯誤の末にたどり着いた道だ。バットを指数本分短く持つスタイルは、2軍の鳴尾浜球場で体に染みこませた。「どうやったら1軍の投手についていけるか…。僕の中で短く持つってことが1つの答え」。これからもしぶとく1本のヒットをもぎ取っていく。

起用に応えた背番号53を矢野監督は「走攻守全てで活躍できる選手だと思うんで、自信を持って大化けしてほしい。『俺を使え』っていう姿勢を見せて、もっとガンガン、ハングリーに」とさらなるアピールを期待した。

4安打を放った2日前は青柳と2人だったお立ち台は、この日は1人。島田は泥だらけになったユニホームでナインの思いを代弁した。「負けていい試合なんて1つもない。ファンの方も1つになって戦っていきましょう!」。ラスト3戦も泥臭く戦っていく。【中野椋】