10年にわたり日本ハムの指揮を執った栗山英樹監督(60)が1日、札幌ドームで退任会見を行い、ファンや関係者へ感謝した。

球団には「来年から二刀流枠を作ってくれ」と最後のお願い。会見終盤には、愛弟子の杉谷拳士内野手(30)が「ちょっと待った~!」とサプライズ乱入し、感動の記者会見を笑顔で締めくくった。

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感動あり、笑いありの、濃密な退任会見となった。いつものように、穏やかな表情で会見場の席に着いた栗山監督は「本当に監督としてユニホームを着られるとは思っていなかった。日本一になった瞬間、1年目にリーグ優勝した瞬間は一生、忘れない」と、10年に及んだ長旅を振り返った。

指導者の経験を経ず、12年に監督に就任。スポーツキャスターから、華麗な転身を遂げた。チームを2度のリーグ制覇に導き、16年には日本一に。通算成績は684勝672敗54分け。今年4月には「親分」の愛称で知られた大沢啓二氏の通算勝利数を超え、球団記録を更新した。“二刀流”としてメジャーで活躍するエンゼルス大谷を育て上げるなど、球界への貢献は計り知れない。

監督としての最後のお願いも忘れなかった。「『来年から“二刀流”という枠を作って下さいよ』と言って辞めようかと。聞いてくれないとは思いますけど」。身体能力の高い上原、郡らの名前を挙げ「二つやることによって生きる選手が、やっぱりいて。(過去に)二刀流できた人は絶対いたはずで、それを見落としていたということを、僕らは反省しなきゃいけない」と、持論を展開した。

会見終盤には、同じ両打ちとして目をかけてきた愛弟子の杉谷が「ちょっと待った~!元気、出して下さいよ!」と、花束を抱えて騒々しく乱入。しんみりとした会見場のムードを一変させる大絶叫に、栗山監督も「『太陽にほえろ』をイメージしたの?」と、こぼれかかった涙が引っ込んだ。

10年間、監督としての“気付き”を書きためたノートは、10冊に及んだ。今後については「何も決まっていない」としながらも「北海道に対して、野球に対して、どんな恩返しが出来るのか。北の旅人になって、フラフラ歩いているうちに、何か自分がやりたいこと、やらなければいけないことが出て来るかな」と、優しく笑った。「『夢は正夢』。その言葉を、これからも追いかけていきます」。栗山監督が描く夢に、終わりはない。【中島宙恵】

◆退団 日本ハムは城石憲之2軍内野守備コーチ(48)が契約満了に伴い退団すると発表した。1軍では小笠原ヘッドコーチ兼打撃コーチ、荒木投手コーチ、高橋打撃コーチが退団。また栗山監督、原田2軍監督の退任がすでに発表されている。