マイペースな最速157キロ右腕がプロ野球選手として、新しい1歩を踏み出した。巨人ドラフト1位の大勢投手(翁田大勢、22=関西国際大)が14日、初日を迎えた新人合同自主トレに参加。視察した原辰徳監督(63)に、突然意気込みを求められても冷静に対応するなど、自分のペースを貫いて初日を終えた。持ち前の“大勢ワールド”で、開幕1軍をたぐり寄せる。

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雲1つない晴天のジャイアンツ球場で、大勢が新たな人生へ足を踏み入れた。「TAISEI 15」のゼッケンを着用し、山田とともにグラウンドに一番乗り。「いよいよ始まったな」と胸を高鳴らせた。

初日から己のやり方を貫いた。勢ぞろいした首脳陣のすぐ近くでのキャッチボールでは、山なりのスローボールでフォームを確認。ノック、ランニングでも、はやる気持ちを抑え、ひょうひょうとこなした。「あまり飛ばしすぎないように、と制御しながらやっていました」。地に足をつけた姿には、貫禄すら漂う。

西脇工時代の恩師・木谷忠弘監督(48)は「マイペースな性格です。ただ常に全体を見ていた。どう考えているのか、よく分からないときがあった」と笑って明かした。笑い話になっているが、選手だけの緊急ミーティングでは、シリアスな雰囲気の中で突如パンをほおばり始め、周囲を驚かせたこともあった。

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この日のミーティングでは“ムチャ振り”にも動じなかった。原監督に突如あいさつを求められるも、冷静に対応。「同期のみんなで今の気持ちを忘れず、ジャイアンツの一員として戦力になる準備をしていきたい」と宣言した。抱いた大志を、自分のペースでたぐり寄せる。【小早川宗一郎】