日本ハム今川優馬外野手(25)が「執念」の決勝打を放った。3回2死一、二塁。ソフトバンクの左腕大関の4球目、136キロフォークを振り抜いた。「うまく反応で打ちました」。左翼線へ運ぶ、2点適時二塁打。勢い余って二塁をオーバーランしそうになると、一呼吸して、右人さし指を突き上げた。代名詞である「執念ポーズ」を、力強く決めた。

ヒーローの座を狙っていた。連勝が始まった13日のオリックス戦から、若手の清宮、万波が続けて勝利の立役者になっていた。野村も含め、3人は自主練習で切磋琢磨(せっさたくま)する仲間。試合前には、先発上沢からも「今日はしっかり頼むぞ」と託されていた。「負けられない、と。今日は燃えるものがありました」と気合十分だった。

リベンジの機会を、うかがっていた。10日オリックス戦では、同点の5回無死一塁でバント失敗。流れを引き渡す形となり、チームも敗れた。「あの日はすごく悔しかったですし、その後も、なかなかチャンスを頂ける機会がなかった。次にチャンスを頂いた時に、しっかり結果を残せるように準備はしてきた」と、めげずに前を向いてきた。

7回には、甲斐キャノンをかいくぐって盗塁も決めた。「少し自信になった」と笑ったが「打つだけとは思われたくない」。社会人出身2年目の25歳は、プロの厳しさを理解している。「今(レギュラーを)つかまないと、本当に来年は絶対にない。毎日、命懸けでやっています」と執念を燃やし続ける。【田中彩友美】

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