ヤクルトが、山田哲人内野手(29)の15号先制ソロと、“村神様”村上宗隆内野手(22)の3試合連続28号2ラン&29号2ランで広島を破り、破竹の13カード連続勝ち越しを決めた。

4回無死、山田が広島遠藤に対しカウント0-2からの3球目、真ん中高め141キロを完璧に捉えて左翼席上段へ。18日広島戦(神宮)以来、9試合ぶりとなる15号ソロに「追い込まれていたがしっかりと振り抜くことが出来ました。先制することが出来て良かったです」と喜んだ。

キャプテンの1発で試合が動くと、続く4番村上が左前打で出塁し、5番坂口の打席で二盗に成功。坂口も右前打で無死一、三塁とすると、6番中村が中堅へ犠飛を放って2点目を挙げた。

試合終盤は不動の4番のバットが爆発した。8回無死一塁から、4番村上が3試合連発となる28号2ランで追加点を挙げた。9回には再び2打席連発となる29号2ラン。6月に入って14本塁打と“村神様”の量産ペースが止まらない。

先発は原。ここまで5勝3敗、防御率4・31の成績で、広島戦は2試合に登板し1勝0敗、防御率2・77と好相性。1回から6回まで毎回走者を出しながらも、要所で変化球を低めに集め、打たせて取る持ち味の投球を披露。6回を92球、7安打無失点とゲームを作った。

対広島戦は引き分けを挟んで8連勝となった。

▼村上が28、29号を含む3安打、4打点。1試合2本以上のマルチ本塁打は今季7度目で、6月だけで5度目。マルチ本塁打が月間5度以上は76年5月ブリーデン(阪神)5度、16年7月筒香(DeNA)6度に次いで3人目だ。19日広島戦からは9試合で10本塁打。55本打った64年王(巨人)は4~5月、60本打った13年バレンティン(ヤクルト)は8月に9戦10発を記録しており、村上が2人に並ぶ本塁打ラッシュを見せた。これで6月は14本塁打、35打点となり、月間35打点は13年8月バレンティンに並ぶ球団タイ記録。

▼ヤクルトは5月14、15日広島戦から13カード連続で勝ち越しを決めた。13カード以上続けて勝ち越したのは54年8~10月南海の14カード以来、68年ぶり。現在のような同一カードの連戦が組まれるようになった52年のフランチャイズ制施行後では2度目の快挙。

▼マジックメモ 広島の自力Vが消滅。セ・リーグでヤクルト以外に自力Vの可能性を残すのは、DeNAだけとなった。DeNAが阪神に勝ったため、ヤクルトの優勝マジック点灯は最短7月1日に延びた。史上初となる6月中のマジック点灯はならなかったが、2リーグ制後の最短M点灯日(65年南海の7月6日)を更新する可能性を残す。1日の点灯条件はヤクルトが30日広島戦、1日DeNA戦に○○か△○で無条件。DeNAの30日阪神戦の結果によっては別の条件も発生する。

▽ヤクルト原(6回7安打無失点で自己最多に並ぶ6勝目)「調子自体は決して良いとは言えなかったが、徐々に調整しながら、野手の方に先制してもらって、6回まで投げ切ることが出来ました」

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