西武中村剛也内野手(38)が史上14人目となる通算450本塁打を達成した。

楽天戦の2回に岸から今季8号を放ち、偉業に到達。9日日本ハム戦で弾丸ライナーの7号2ランを左翼スタンドにぶち込んで通算449号とし、王手をかけていた。

プロ21年目の今季は、450号まで残り8本でスタートした。開幕前から「もう1度しっかりホームランを打てるように、しっかりやっていきたい」と繰り返していたが、簡単にはいかなかった。

もともとスロースターターではあるが、極度の不振に陥った。4月までの成績は打率1割4分1厘、本塁打はまさかのゼロ。5月は4本塁打を放ち、復調の兆しを見せたが、故障に見舞われた。6月5日ヤクルト戦でスイングした際に右手親指の関節を痛め、約3週間の戦線離脱を強いられた。7月もノーアーチで、月間打率は1割6分3厘。調子が上がらない中、今の自分と向き合った。「足の使い方が、ちょっとおろそかになっていた」。しっかり下半身を使って打つことを意識し、復活の光とした。8月に入って4本目のアーチを描き、節目の数字にたどり着いた。

現役最多のアーチを描く希代のホームランアーチスト。強く意識しているのは史上9人目の通算500本塁打だ。15日には39歳を迎えるが、450本はまだまだ通過点だ。

▼中村が12日の楽天18回戦(楽天生命)の2回、岸から今季8号を放ってプロ野球14人目の通算450本塁打を達成した。初本塁打は04年7月24日の近鉄18回戦(西武ドーム)で山村から記録し、00年以降に入団した選手では最初に450号へ到達。中村は西武一筋で、同一球団で450本以上は、巨人で868本の王、南海で645本の野村、広島で536本の山本浩と504本の衣笠、南海・ダイエーで503本の門田に次いで6人目になる。また、中村はこの1発でホームを踏み、プロ野球45人目の通算1000得点を達成。初得点は04年3月29日のダイエー1回戦(福岡ドーム)。中村は15年7月24日の日本ハム戦の4回に1発を放って通算300本塁打と通算1000安打を同時に達成したが、また節目の記録をダブルで達成した。

◆中村剛也(なかむら・たけや)1983年(昭58)8月15日、大阪府生まれ。大阪桐蔭では高校通算83本塁打。01年ドラフト2巡目で西武入り。本塁打王6度、打点王4度、ベストナイン7度。満塁本塁打は歴代最多の通算22本。15年プレミア12日本代表。「おかわり」の愛称で親しまれる。175センチ、102キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2億円。

〈歴代本塁打上位〉

(1)王貞治 868本

(2)野村克也 657本

(3)門田博光 567本

(4)山本浩二 536本

(5)清原和博 525本

(6)落合博満 510本

(7)張本勲 504本

(7)衣笠祥雄 504本

(9)大杉勝男 486本

(10)金本知憲 476本

(11)田淵幸一 474本

(12)土井正博 465本

(13)ローズ 464本

(14)中村剛也 450本

 

○…これも大打者らしい“逸話”!? 数々の記念球の保管は少し大ざっぱだ。中村は「大事にしてなくはないのですが、めちゃくちゃ大事にしているかと言われたら…」。04年7月24日の初本塁打球も「持ってない」という。自宅のケースにまとめてあるが、すべて混ざってしまった。「そろってないし、どれがどれか分からない。どれが何本とか書いてないし」と笑う。この日の記念球も「とりあえず持って帰ります」。あまり執着していなかった。

▽西武栗山(中村の450号に)「素晴らしい記録を目の前で見られたことは光栄。自分で本塁打を打って、自分でかえってきているわけですから。1000得点と同時に達成というのはすごいですね。450本はもちろんすごいですが、500本というのもファンの皆さんやチームメートも楽しみにしていますので、そこに向かって頑張っていってほしいと思います」

▽西武山川(中村の450号について)「これからもずっと、中村さんの背中を追い続けることになると思います。中村さんは美しいホームランを打つので、最初は僕もそうなりたいと思っていたのですが、なかなかできませんでしたね。本当にすごいと思います」

▽西武今井(爪が刺さって右手薬指出血で降板も、6回2/3 2安打無失点で3勝目)「少なくとも7回は投げ切りたかったのが本音です。最後は指に痛みはなかったのですが、血でボールが滑ってしまい、思うような投球ができなかった」

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