平常心で9回のマウンドに上がった。オリックス宮城大弥投手(21)が9回118球4安打無失点の好投で、プロ初完封勝利を飾った。

「先頭打者をしっかり打ち取る意識で、9回投げられたことが非常によかった」

その言葉通り、先頭に出塁を許したのは6回の1度だけ。昨年までは、打者によってプレート位置を変更していたが、今季からプレート位置を一塁側に固定。25日に21歳になったばかりだが、堂々の投球で、初完封を記録した。

20日西武戦(ベルーナドーム)でも8回100球無失点の力投で白星を収めており、2週連続で西武打線を封じ込めた。前回登板では9回も狙えたが、首脳陣から「(山本)由伸じゃないからダメ」と“お預け”されていた。この日は、8回のマウンドを終えると「高山さん(投手コーチ)はどっかに行きました。水本監督代行はうなずいて『行くぞ』という目をしてくれてたので、集中力を切らすことなく、行けた」と喜びの表情で振り返った。

初めてマウンドで経験する勝利のハイタッチ後、記念球を初勝利の水本監督代行に手渡そうとしたが「お前の方が野球人生長いから、もらっておけ」と断られ、ウイニングボールをポケットにしまった。これまでの記念球は「プロ初勝利とプロ初安打のボールを親に渡しました」。この日、もう1つ勲章が増え、お立ち台でも照れた。

これで首位ソフトバンクと2ゲーム差。貯金を今季最多タイの5に戻した。中嶋監督は新型コロナウイルスの陽性判定を受け離脱中。孝行息子の宮城が、指揮官に「(復帰)お待ちしています」のメッセージを送った。【真柴健】

▽オリックス宗(初回に先制の4号2ランで宮城を援護)「宮城がいつも頑張って、ボウズにしてまで、いい投球をしてくれてるので、頑張って打ってます!」

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