楽天浅村栄斗内野手(31)が、史上9人目となる1000試合連続出場に、自らのバットで花を添えた。初回の右前への先制適時打が決勝V打。負けたら自力V消滅の危機でチームの連敗を2で止めた。ソフトバンク、西武、オリックス上位3チームがそろって敗れた中で勝利し、3位オリックスと2・5ゲーム差。混パに食らい付いた。

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鉄人の仲間入りを果たした男のバットが、勝利をたぐり寄せた。浅村の連続出場1000試合目となる節目の第1打席。1回1死三塁で、カウント2-2から高めの直球を捉えた。カーブとフォークを織り交ぜるソフトバンク石川の投球。「何とかランナーをかえそうという気持ち」と、甘い球を見逃さなかった。右前への先制適時打。初回に訪れたチャンスで、勝負強さを発揮した。

鉄人のバットは、自然と打球を味方につけた。5回2死二塁では、一塁強襲の鋭い当たり。ソフトバンク三森の適時失策を誘い、2点目が舞い込んだ。西武時代の15年8月8日オリックス戦から始まった鉄人記録。「けがをけがと思わないことが、自分の中で大事にしていること。レギュラーで出続ける以上はけがしても出るのが責任」。万全の状態ではなく、痛みを抱えながらのプレーもいとわず、到達した。

7年前とは景色は大きく様変わりした。「立場が変わって、役割が変わって。15年は先輩がいて背中を見て必死にやっていた。今は自分が引っ張らないといけない立場。そこは変わったかなと思います」。19年から楽天にユニホームを替え、チームの主軸を担う。

チームはこの勝利で3位オリックスとのゲーム差を2・5とし、優勝戦線に踏みとどまった。「1000試合はあくまで通過点。誰ひとり諦めることなく目の前の試合を全力で戦っている。何とか最後まで上のチームに食らい付いて戦っていきたい」。記録を潮目に、混戦を極める混パを、さらに激化させる。【栗田成芳】

▼浅村が西武時代の15年8月8日から続ける連続出場を1000試合に伸ばした。1000試合以上の連続出場は、04~18年鳥谷(阪神)以来史上9人目。パ・リーグでは95~03年松井(西武)に次いで2人目。