阪神が17日の巨人戦(東京ドーム)に敗れ、今季のリーグ優勝の可能性が消滅。17年連続のV逸が決まった。

2回に佐藤輝明内野手(23)の19号ソロで先制したが逆転負けを喫した。クライマックスシリーズ(CS)進出を争う4位広島、5位巨人に0.5差に迫られ、自力でのCS進出も消滅した。今季限りでの退任を表明している矢野燿大監督(53)はCS圏内の3位を「奪い取る」と強調した。残り7試合、虎は逆境をはね返せるか。

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1点届かず、逆転負けで今季の優勝の可能性が完全消滅した。矢野監督は腕組みをしながら、試合終了の瞬間を目に焼き付けた。1月31日に今季限りでの退任を表明。異例の退路を断って挑んだ就任4年目のシーズンだったが、17年連続でV逸となった。「それはもう、厳しいのは十分わかっているしね。もちろん優勝を狙ってやってきたんで」と悔しさをにじませながら、現実を受け止めた。

藤原オーナーは球団を通じ「チームの勝利を信じて応援いただいたファンのみなさまに、優勝をお届けすることができず残念に思います。今季はスタートで大変な思いをした中でも、ファンのみなさまには連日、球場に足を運んでチームの背中を押していただき本当にありがたく思っております。チームはクライマックスシリーズ進出から日本一へ一丸となり頑張ってくれると信じております」と虎党へコメントを出した。

残りは7試合。4位広島、5位巨人とは0・5差に迫られたが、矢野監督も「まだまだ目標はあるんで。しっかりやっていきます。(3位を)死守ってつもりはない。奪い取るしかない」と下克上日本一を狙う。

だからこそ、落とせない試合だった。今季は球団ワーストの25試合完封負けを喫するなど、打線が強力投手陣を援護できない試合が目立った。この日も2点を追う7回無死一、二塁で梅野が送りバントを失敗するなど流れをつかめなかった。矢野監督も「本塁打をガンガンというチームではないので、そういうところをしっかりやっていかないと」と敗因に挙げた。18日からは甲子園でヤクルトと2連戦。チケットがすでに完売している満員の甲子園でCS進出へ向けて勢いをつけるしかない。【石橋隆雄】

▼阪神が巨人に敗れ、自力CSが消滅した。阪神は残りの7試合に全勝しても、巨人が残り10試合に全勝すれば、勝率で巨人を上回れないため。

▼阪神は06年から17年連続で優勝を逃した。17年連続V逸は1985年(昭60)に優勝してから2003年(平15)に優勝するまでに並んだ。球団最長は65年から85年に優勝するまでの間の20年連続。

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