V逸決定翌日の阪神が満員の本拠地で元気なく敗れた。18日のヤクルト戦(甲子園)は6回に中野拓夢内野手(26)、藤浪晋太郎投手(28)の失策が絡んで痛恨の決勝点を奪われた。

今季最多タイの1試合3失策で、打線も反発力なく球団ワーストを更新するシーズン26度目の0封負け。試合のなかった広島に3位タイで並ばれた。

   ◇   ◇   ◇

阪神が球団ワースト記録をさらに更新する屈辱のシーズン26度目の完封負けを喫した。0-1の9回2死二、三塁のサヨナラ機で、打席には6番佐藤輝。5回にリーグトップ快走の35本目の二塁打を放っていた若トラ登場に、虎党のボルテージは最高潮に達した。しかしマクガフの真ん中スプリットに空振り三振でゲームセット…。甲子園に悲鳴とため息が響き渡った。

初回の絶好機を逃し、流れを手放した。中野、糸原が連続の左前打でチャンスメーク。しかし近本が左飛に仕留められ、大山は三ゴロ併殺打に倒れて無得点。本調子ではなかったヤクルト小川を攻略できず、矢野監督は「(9回は)粘ったって言ってもねえ。立ち上がりでまず点を取りたかったけど、そのままズルズルいっちゃったんで。何とかしないとね」と険しい表情で話した。

頼みのクリーンアップが沈黙した。3番近本、4番大山がともに4タコと振るわず。5番に座る原口も7回に四球を選んだが、2打数無安打に終わった。投手陣が踏ん張った中で、チャンスを2度の併殺でつぶすなど、得点機を生かすことができず。今季の得点力不足を象徴する試合となった。【古財稜明】

▼阪神は今季26度目の完封負け。62年国鉄(現ヤクルト)と並び、セ・リーグ史上5位タイの屈辱となった。

▼1試合3失策は、5月19日ヤクルト戦、8月14日中日戦と並び今季最多。なお適時失策が決勝点となっての0-1敗戦は、18年7月8日DeNA戦3回の北條の失策によって敗れて以来。

▼阪神は島田が今季20盗塁に達し、近本27、中野22と合わせて20盗塁以上が3人となった。阪神では60年三宅秀史29、並木輝男23、吉田義男20盗塁の3人以来62年ぶり。なお球団シーズン最多は54年の4人で、吉田義男51、渡辺博之30、田宮謙次郎30、金田正泰28盗塁。

○…浜地がピンチをしのいだ。藤浪の後を受けて7回にマウンドに上がった。先頭打者の安打と犠打で1死二塁と得点圏に走者を背負ったが、後続を抑えて無失点で終えた。「ランナーは出しましたが、粘ることができてよかったです。今日はファンの方々の声援が、いつもより一層、大きく聞こえましたし、それが力になって抑えることができました」とファンに感謝した。

○…ケラーが“村神様”を封じた。8回に3番手で登板すると、まず先頭の山田を空振り三振。続く4番村上はフルカウントからの7球目、141キロのスプリットで空振り三振に仕留めた。「(村上は)素晴らしい成績のシーズンだと思うし、失投は許されない打者なので、攻める気持ちを持ちながら、しっかり丁寧に投げることができたね」と満足げ。オスナも遊ゴロに抑えて中軸を3人で切る完璧な投球だった。

○…湯浅が鉄壁の救援ぶりを見せた。1点を追う9回に4番手で登板し、2三振を奪うなど3人でしっかりと抑え無失点。「1点ビハインドの場面でしたし、なんとか攻撃にいい流れをと思ってマウンドに上がりました。しっかり3人で抑えることができてよかったです」。これで、23試合連続無失点と安定感はハンパない。

○…島田が20盗塁を決め、近本、中野との20盗塁トリオが完成した。球団では62年ぶり。7回に原口の代走で途中出場。盗塁を試みたが、ヤクルト中村の好送球で阻まれた。それでも、9回2死二塁でマクガフの141キロの変化球を捉え右前打でチャンスを拡大。続く佐藤輝の打席で盗塁に成功。得点には結びつかなかったが、積極的な姿勢を見せた。

【関連記事】阪神ニュース一覧>>