引退セレモニーでヤクルト内川聖一内野手(40)がスピーチを行った。

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本日をもちまして22年間におよぶNPB現役生活、プロ野球選手を卒業します。横浜ベイスターズで10年、ソフトバンクで10年、ヤクルトで2年、本当に素晴らしい野球人生を送らせていただきました。セレモニーの最後まで残っていただきましたファンのみなさま、本当にありがとうございます。すいません緊張してます。

そんな現役生活の最後をこんなにたくさんのファンの方の前で披露させていただく機会をつくっていただきました球団関係者のみなさま、本当にありがとうございます。感謝しなければいけない人がたくさんいるんですけども、まずは両親。父一寛さん。あなたは私の憧れでした。生まれたころから高校野球の監督をし、指導する姿、ノックを打つ姿をいつもかっこいいなと思って見てました。そんなあなたを追い掛けて、一生懸命野球をやってきた最後の舞台が、あなたが法政大学時代に守ったこの神宮球場のファースト、同じポジションを守ることを、最後の舞台を用意してくれた神様に感謝します。ありがとうございました。

そして母。父が監督、子どもが選手という普通ではない環境でプレーできたのはあなたが支えてくれたからです。そして弟、小中高と同じユニホームを着て野球をしました。残念ながら僕より早くユニホームは脱ぎましたけども、これからも仲良く、また大分でゴルフでもしましょう。

何よりも近くで支えてくれた妻、子どもたち。パパ頑張ったっしょ。みんながいてくれたから頑張れました。本当にありがとう。

チームの力になりたい、もう一花咲かせたいという思いでヤクルトのユニホームを着させていただきましたが、高津監督はじめ首脳陣のみなさま、力になれずに本当に申し訳ない思いでいっぱいです。スワローズに来て昨年日本一、今年はリーグ優勝を達成してくれました。周りの人から僕が試合に出ていなくてもヤクルト強いね、今年も優勝したねと言ってもらえる喜び、チームが勝つことの勝利の輪が広がるというのを最後の最後に実感させていただきました。本当にありがとうございました。

一緒に引退する嶋。グッチ。全盛期はお互い違うチームで切磋琢磨(せっさたくま)しましたが、最後に同じユニホームを着て同じ日に引退できることを誇りに思います。本当にありがとう。

昨日までは今日が来るのを、早く区切りをつけたいと思う日もあったり、来てほしくないと思う日もあったり、いろんな方向に心が揺れましたが、今日ムネの56号のホームランを、歴史的な瞬間を見させていただき、ムネのホームランを見て僕自身がどうこうっていう決断はできませんでしたけども、佐野選手の強烈なライナーを捕った瞬間、ああこのスピード感じゃちょっと無理だなと思いました。

少年野球のころから少年監督にもよく言われていたのは「聖一は勝っても負けてもいつも泣きよる」。でも最後にこの場で、笑顔で皆さんにお別れが言えるのはすごく幸せだなと思ってます。22年間本当にありがとうございました。

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