ソフトバンクは21日、DeNAから国内フリーエージェント(FA)権を行使していた嶺井博希捕手(31)の獲得を発表した。背番号は12で、23日に入団会見を行う。推定4年総額3億円の大型オファーで、課題だった捕手層の強化に成功した。

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ソフトバンクが今オフの補強第1弾を正式発表した。嶺井は元所属のDeNA球団を通じて「この9年間で多くのことを経験させていただき、今後の野球人生もさらに挑戦したい気持ちが強くなり、移籍を決断いたしました」とコメントした。複数年契約を提示され、宣言残留も認めていたDeNAへの愛着もあって心が揺れたが、新天地での挑戦を選択した。

今季のソフトバンクは甲斐が主にマスクをかぶり、チームトップの130試合に出場。甲斐が新型コロナウイルス陽性の影響で離脱した際には、若手の海野や渡辺が先発した。甲斐は今季、打率が1割台と低迷。早い回に代打を送られ、終盤に若手が捕手を務める場面もあった。侍ジャパンにも選出されるほどの中心的存在ではあるが、そこに次ぐ捕手をなかなか確立できていない。

嶺井は今季、自己最多の93試合に出場。勝負強い打撃とリード面は評価が高く、通算では472試合に出場している。正捕手候補として最右翼の甲斐に匹敵する経験値の高さがあり、甲斐との併用や「抑え捕手」としての役割に期待がかかる。

もちろん、捕手全体の競争による活性化も狙いの1つだ。藤本監督は来季に向けて「全ポジションが白紙」と話しており、捕手も例外ではない。秋季キャンプ中には「競争してもらいますよ。甲斐を抜くようなキャッチャーが出てこないと」とも言った。

嶺井加入を受け、今季甲斐に次ぐ47試合に出場した海野は「危機感は感じます。守れるだけではなく、打つ方もレベルを上げないと1軍に残れない」と早くも表情を引き締めた。今季はわずかな差で、オリックスにリーグ優勝を許した。まずは1つ目の補強で、来季巻き返しへの手を打った。【山本大地】

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