名手から名手へ、世界一奪回を託された。

日本代表に選出された西武源田壮亮内野手(29)が16日、06年の第1回WBC優勝メンバーの宮本慎也氏(52=日刊スポーツ評論家)から激励された。さいたま市内の日本通運グラウンドに、ゴールデングラブ賞を合計28回獲得した5人の名遊撃手が集結。技術談議に花を咲かせた。

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世界一を知る宮本氏からの言葉を聞いた源田は、何度も大きくうなずいた。栗山監督が招集する代表30人が固まり、源田は正遊撃手候補。19年のプレミア12、21年の東京五輪と国際試合の経験は豊富だが、WBCは初めての舞台となる。宮本氏は「まだ確定していないがWBCの代表を想像すると、源田は試合に出続けないといけない重要度の高い選手。もしケガをしていなくなったら大変。日本が勝つためにはケガをしないように」と、源田をキーマンに挙げた。

守備面の貢献はもちろん、打撃の重要性についても説いた。「源ちゃん、打たないとダメだよ。スタメンで出場して打てば(栗山監督が)代打を出す必要はない。フル出場できる」。遊撃を守り続けるために、いかに打撃面で存在感を発揮できるか。源田は「思い切って、全力でプレーしたいです」と答えた。

宮本氏は「現役で最高のショート」と源田をたたえる。ゴロを捕る際に左腕、左手のグラブの延長線上にボールを置くという源田の守備論に、歴代ゴールデングラブ賞の先輩たちも納得。普段から、宮本氏のYouTubeをチェックする源田は「こんな豪華なメンバーの中になんで自分がいられるのかが驚きで、光栄です。勉強になりました」と感謝した。

WBC開幕まで2カ月を切った。源田は「まだ(全)メンバーの正式発表はされていませんが、日ごとに『やらないといけないな』という気持ちが強くなってきています」。偉大な先輩の思いも胸に、戦う覚悟だ。【保坂恭子】