沖縄・名護の空に快音を響かせた。日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手兼外野手(22=日体大)が29日、先乗り自主トレに参加した。

フリー打撃ではバックスクリーンに豪快な柵越えを披露。2月1日の紅白戦では野手として出場を予定しており、まずは“一刀流”でアピールするつもりだ。

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「こんなにきれいな球場で気持ち良く打てて、すごく充実感がある」。練習後、取材に応じた矢沢の表情はすがすがしかった。この日先乗り自主トレに合流。キャッチボールや打撃練習など野手のメニューをこなした。フリー打撃では、アマ時代も含めて初めてとなる中堅への柵越えも見せた。「バッティングに関しては今までよりもパワーアップしていると思う。ピッチャーの球も速く、反発もあって今までよりも飛距離が出た」と振り返った。

ウエートトレの成果が表れた。新人合同自主トレではトレーナーとフォームを入念に確認しながらトレーニングに励んできた。「いいフォームでやっているから力の伝え方がいいと思う」。守備では先輩らの打球を追い、プロのレベルの高さを実感。清宮に見守られながら入った打席では緊張も感じた。「こんなにすごい打球を飛ばす選手の中で打つのは少し恥ずかしいなというのは正直あった」が、「やってみたらいい感じに振れたので良かった」と語った。

キャンプ初日の2月1日に行われる紅白戦では野手として出場予定。投手も兼ねるが、まずは野手としてアピールするチャンスを得た。「(試合の)結果に関しては自分だけで動かせるものではないが、自分ができる部分はしっかりやりたい」と意気込む。信条とする豪快なフルスイングを貫く。「まずは紅白戦に向けて野手としてしっかり準備していきたい」。投打二刀流を目指す矢沢が、まずは1本目の刀を抜き、野手としてキャンプ初日から大暴れする。【石井翔太】