「8番遊撃」はどっちだ? 阪神小幡竜平内野手(22)と木浪聖也内野手(28)の遊撃争いが、沖縄・宜野座での春季キャンプで本格的に幕を開ける。岡田監督は当初、小幡のメイン起用を想像していたが、秋季キャンプで木浪の評価が上昇。「一番迷ったのはショート」と言わしめる拮抗(きっこう)ぶり。横一線の状態で2月1日を迎える。

18年ドラフト2位が小幡で、同3位が木浪という同期対決。ともに前日1月30日に、沖縄先乗り合同自主トレを打ち上げた。

小幡は「まずは守備をしっかりアピールして、その次に打撃もアピールできたら」と気合十分。184センチの大型ショートは強肩が武器だ。1月はキャンプ地と同じ宜野座で梅野らと自主トレを行い、臨戦態勢を整えた。「(現在のチームに)高卒レギュラーっていうのはいないので、そこに向けてしっかり取り組みたい」。目の色を変えている。

遊撃奪回を目指す木浪も覚悟が違う。新人の19年にいきなり定位置をつかんだがその後は年々、出場機会が減少。一念発起して1月にソフトバンク近藤に弟子入りし、徳之島で打撃を磨いてきた。「岡田監督が守備と言っているので、守備は一番」と重視。小幡に負けじと強肩自慢だが、「打てるようになればレギュラーに近づく」とバットでもアピールする意気込みだ。

沖縄入りを前に、伊丹空港で取材に応じた指揮官は、あらためて遊撃は守り重視と明言した。「守り守り。そんなんずっと言ってるように守りよ。打たんでええ言うてるやん」。その上で「ショートなんか、どうせ8番やから打たんでええやん」と打順も指定した。2年間遊撃のレギュラーを務めた中野を二塁にコンバート。空いたショートの席には鉄壁の守備を求める。

開花が期待され続けてきた若武者小幡か。新人から3年連続で開幕遊撃をつかんだ実績の木浪か。仁義なき遊撃バトルのゴングが、宜野座で鳴る。【中野椋】

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